こんにちは、しょる(@SHOLLWORKS)です。今回は、ユニクロのメンズ&レディース無地Tシャツについて、プロのファッションデザイナーである私しょるが解説します。
無地Tシャツは、シンプルなカジュアルコーデの基本。とはいえ、生地感や丈感、シルエットなど奧が深く、着比べてみると結構印象が変わったりします。
特に初心者の方にとっては、無地Tシャツのパッと見の違いは分かりにくいですよね。インナーですので試着しづらいですし、かといって「安いからとりあえず買っちゃえ!」の結果“しっくり”こなかったりもします。
というわけで今回は、ユニクロ無地Tシャツのラインナップ紹介に加えて、実際の生地感&向いているコーデの方向性も提案させていただきました。
そもそもTシャツって何?「カットソー」と何が違うの?
ユニクロのオンラインストアの場合、分かりやすく「Tシャツ」というカテゴリーに入れられているため迷うこともないのですが、世間では「カットソー」という言葉も良く使われています。
ブランドによっては「カットソー」というカテゴリーがあるのに「Tシャツ」というカテゴリーは無かったり、違いが分かりにくいですよね。
結論、Tシャツは、カットソーの一部です。
カットソーとは、「編まれている生地を」カット(切られて)&ソーン(ミシンで縫われた)という意味で、日本では中でもトップスに限定してカットソーと定義付けています。
服の生地は「織られた物」や「編まれた物」などがあります。Tシャツやタンクトップ、ポロシャツ、スウェットなどの中で、パーツ同士がミシンで縫い合わされたものを総称して「カットソー」と呼んでいます。
英語圏ではカットソーという言葉よりも、T-shirtなど服の種類を直接言う場合がほとんどです。
ユニクロメンズの無地Tシャツ&おすすめコーデをご紹介!
それでは具体的に、ユニクロのラインナップを紹介します。まずは、ユニクロのメンズラインナップにある無地Tシャツを紹介します。
サイズ感や生地の厚さは、上記の公式画像が簡潔に説明してくれています(2024年は「オーバーサイズポケツキTシャル(五分袖)はなし」)。
私からは、実際の生地感によるカジュアル感や、具体的なコーデ案もご紹介させていただければと思います。メンズはもちろん、ユニセックスで着たいレディース体型の方にもオススメですよ!
【ユニクロU】クルーネックTシャツ(半袖)
まずは、ユニクロUのクルーネックTシャツ。ユニクロ公式が「究極のベーシック」と称するほどに、ユニクロらしさを体現している無地Tシャツです。
細くもなく太くもない、中庸的なシルエット&コットン100%生地のTシャツです。さらに多色展開、そして1,500円という比較的リーズナブルな価格で販売されています。
私も5枚持っていますが、「これさえあれば」という無地Tシャツです。あなたが標準体型であれば、まずはこのTシャツを中心に検討すると良いと思います。
生地厚に関しては、公式に「厚手」とありますが夏に着られないというわけではありません。確かに、今回のTシャツの中では最も厚地ですが、強調したいのが“ガサガサ”しているという点。
ガサガサしている、というのは「肌荒れする」という意味ではなく、カジュアル感が強い表情ということ。
コーデ面では、フォーマル感が高いorあまりにシャープ過ぎる“パリッとした”生地感のアウターやパンツとは合わせづらいといという特徴があります。
Image Photo by Theory
例えば、上記写真の場合、一枚目のジャケットの方が生地感もナチュラルでカジュアルです。こういったジャケットの方がクルーネックTシャツ(半袖)に合いやすいです。
一方、二枚目は都会的でクリーンなイメージが強いジャケット。合わせるカットソーも、「エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(5分袖)」のように、もう少し細かで光沢感のある生地感の無地Tシャツが合います。
クルーネックTシャツ(半袖)を合わせるポイントとしては、コットン感やウール感のある素材や、ナチュラルなシェイプのアウター&ボトムスと合わせることです。
【ユニクロU】エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(5分袖)
続いては、エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(5分袖)。発売以来のヒット商品で、定番の仲間入りした無地Tシャツ。
オーバーサイズ&Tシャツの内側がエアリズムということで、清涼感が高く、生地も細やかで光沢感があります。オーバーサイズながら、“きれいめ”な印象を与えやすいことが特徴です。
同じ「ユニクロUの無地Tシャツ」とはいえ、先述のクルーネックTシャツ(半袖)とは、
- エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(5分袖)の方が、ゆったり目のシルエット
- 非常にクリーンな印象を与え、ドレス感の強いコーデに向いている
- 耐久性はクルーネックTシャツ(半袖)の方が優れている
など。生地感、シルエット、着用感の全てが真逆といっても過言ではありません。
コーデ面は、やや痩せ~標準体型の方が都会的でクリーン、ケミカル感のあるパンツやアウターと合わせるのに最適です。
もちろん、感動ジャケットやパンツなども良く合います。
また、2024春夏シーズンは、Vネックや胸ポケット付き、ノースリーブなど、さまざまなバリエーションが展開されています。
基本的な特性や合わせ方は同様ですが、お好みに合わせて選んでみてください。
ちなみに、夏の暑さを和らげるTシャツの色は白や淡色です。見た目の印象だけでなく、白と黒などの濃色とでは、表面温度が10℃は異なるという研究結果も出ています。
スーピマコットンクルーネックTシャツ(半袖)
続いては、スーピマコットンクルーネックTシャツ(半袖)。ユニクロUのクルーネックTシャツ(半袖)よりもジャストサイズ×生地目が細かく、“ナチュラル感×きれいめ”に特化した無地Tシャツです。
スーピマコットンとは、北米産の超長綿の一種。元々はエジプト綿と北米綿の交配種で、世界の高級綿を代表する一種です。
シルエットは、やせ型~標準体型用。“きれいめ”度はエアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(5分袖)と同等程度ですが、(生地のケミカル感が少ないため)ノンウォッシュのジーンズやチノなどにもよく合います。
(超高品質なTシャツと比べると加工処理の丁寧さに差はありますが)毛羽立ちは少ない方だと思います。他の無地Tシャツと比べても、着用時にしっとり感があります。肌への優しさもこだわりたい人にも◎。
1,990円という価格はやや高めですが、コーデ面でも優秀で、“きれいめ”からカジュアルまで対応してくれます。ケミカル過ぎる服でなければ、合わせやすいことも特徴。
彩度が低め&濃淡カラー展開が揃っているので、ベーシックカラーから落ち着いたコーデの差し色まで選べます。
ドライカラークルーネック/VネックT(半袖)
ドライカラークルーネック/VネックT(半袖)は、ユニクロの無地Tシャツで最もロングセラーの一枚。素材は(カラーによって多少比率が異なりますが)、綿&ポリエステルの混紡素材で速乾性の高さが特徴です。
こちらは、ベーシックな淡色と、ハッキリとしたダークカラーのラインナップが中心。レディースのジャストフィット×きれいめTシャツとしても有用です。
ただし、高級感があるわけではなく、どの色も多少の透け感があります。特に、白やグレーは透け感が強いため、一枚で着るには要注意。
ドライカラークルーネック/VネックTのコーデは、化学繊維でできた“シャカシャカ”アウターや、アクティブショートパンツなどといったアイテムと好相性。アウトドアコーデにも対応可能です。
薄地であること&強すぎない天然繊維感と、肌触りはサラっとゴロゴロしています。先述のスーピマコットンクルーネックTシャツ(半袖)が“しっとり”しているのとは対照的です。
その他、「ヒートテックでは痒くなる」という方の秋冬用のインナーとしても最適です。VネックTの場合、シャツの下に着て第一ボタンを開けても肌着として見えません。
ユニクロレディースの無地Tシャツ&おすすめコーデをご紹介!
続いては、ユニクロのレディース無地Tシャツをご紹介。
メンズとは異なり、2024年はラインナップ自体がかなりガラッと変わりました。ミニT系がなくなり、再びオーバーサイズ中心へと回帰しましたね。
各無地Tシャツの概要と生地感、オススメコーデの方向性などをご紹介します!
【ユニクロU】クルーネックT(半袖)
まずは、大定番のクルーネックT(半袖)。こちらは、メンズのクルーネックTシャツ(半袖)のレディース版ともいえる無地Tシャツです。
素材感も全く同じですが、シルエットは比較的タイトになっていることが特徴。レディースにとっては、メンズのクルーネックTシャツ(半袖)がリラックスシルエット、レディースがジャストフィットと言って良いでしょう。
展開されているカラーも若干異なり、あらゆるパーソナルカラーを意識した展開がされています。
一方、着丈はやや長めで(相当身長が高い方でなければ)タックインでの着こなしがメインになります。あまりクリーンでシャープなボトムスとは相性が良くないですが、カジュアル感が多少~強いものまで幅広く合わせられます。
その他、首部分の太めのリブがカジュアル感を強調しています。首周は開き過ぎず締り過ぎず、多くの方に“そこそこ合う”ように作られている「究極のベーシック」です。
1,500円というプライスと多色展開、そして耐久性が高いこともクルーネックT(半袖)の魅力。シルエットの好みに合わせて、メンズ/レディースの双方を検討してみてください。
エアリズムコットンT(半袖)
エアリズムコットンT(半袖)は、メンズ同様レディースでもすっかりヒット商品として定番化しました。2024年モデルも前年同様、かなり首元が詰まったデザインになって登場しました。
首の長さが長めの方に向いている、と言えるでしょう。また、着丈も短いので、ジャケットなどのアウターの中に着るようとしても有用です(首元が詰まっているとアウターの襟周りも汚れにくいです)。
洗濯機で洗える&シワになりにくいですが、エアリズムは首元などが伸びやすいです。大切に着たい方は、ネットに入れて洗ってください。
また、2024年はエアリズムドレープT(半袖)も展開されています。
こちらは首回りが広くとられており、首が詰まっているのが苦手という方にも着やすいですよ。
脇下のゆとりがドレープ感を生み、エアリズム生地と相まって光沢感がありあます。こちらの記事でも紹介していますが、オフィスで一枚で着るのにも役立つと思います。
コットンリラックスT(5分袖)
続いては、コットンリラックスT(5分袖)。個人的にオススメ度が高いレディースの無地Tシャツで、ドルマンスリーブによる“ゆったりシルエット”が魅力ポイントです。
着丈が気持ち短め&オーバーサイズシルエットで縦への強調感が少な目です。身長問わず、あえてオーバーサイズを着たい方や、体型に自信がない方にも向いています。
昨年販売していたオーバーサイズコットンT(五分袖)と比べ、タックイン/タックアウトの自由度が高いです。綿100%は洗濯後若干シワになりますが、スチームアイロンを掛けられるならば◎。
ボトムスは、いわゆる“骨格タイプ”に合わせたスカートはもちろん、パンツスタイルにも幅広く対応します。カジュアル過ぎず、シャープ過ぎない生地感が、幅広いコーデを可能にしてくれます。
スタイルに自信があるという方はタイト目なパンツを、そうでないという方はスカートも体型被覆力が高いものを選ぶと良いですね。どちらにも合ってくれる優秀なトップスです。
生地感は細かめですが、“しっとり”と“ゴロゴロ”の中間程度の感触。夏に一枚で着るのにも気持ちの良い肌触りです。
エアリズムシームレスVネックロングT(半袖)
続いては、エアリズムシームレスVネックロングT(半袖)。昨年はボートネックだったものが、エアリズムドレープT(半袖)の登場からか、Vネックになって登場しました。
リラックスシルエット&サラッとした肌触りが、特徴の無地Tシャツです。前後に着丈差をもたせつつ、タックアウトしてスウェットパンツと合わせたり、
ポリエステルにセルロース繊維を混紡し、サラっとした快適な肌触りを実現しています。そこまで薄地でもないため、白以外のカラーは透け感がぼとんどない点も嬉しいですね。
見ての通り、着丈は非常に長め。タックアウト前提のTシャツです。また、カラー展開は彩度が抑えられた、ペールトーンカラーが中心です。
洗濯後もシワになりにくい素材ですが、首周りが伸びやすいのでネットに入れて選択をオススメします。
エアリズムメッシュクルーネックTシャツ(半袖)
エアリズムメッシュクルーネックTシャツ(半袖)は、とりわけスポーティーな一枚。
他のエアリズム系のTシャツと比べてもレギュラーフィットで、腕ぐりのゆとりなどを廃した普通のTシャツスタイルです。
着丈も標準程度で、短くも長くもありません。「エアリズムの素材は気になるけれど、昨今のビッグシルエットはイマイチ好きになれない」という方にピッタリです。
その名の通り、生地表面がメッシュになっています。
透け感などはほとんどありませんが、スポーティーな印象を与える無地Tシャツです。
今回は以上です。気になる無地Tシャツは見つかりましたでしょうか。
確かに、無地Tシャツは(スーツや革靴などと比べれば)パッと見のコストによる“差”は極めて小さい服であることは間違いありません。
正直、私も「10m離れたところから値段の違いを見分けろ」と言われたら基本無理だと思います。
しかし、ユニクロが多様な生地感&シルエットを展開していることからも、無地Tシャツは一枚であなたの表情を変えてしまう、他の服同様奥が深い服です。
シルエットや着丈、袖丈、生地のカジュアル/ドレス感、カラー。どんな季節でも基本は脱ぐことがないですし、意識して選ぶと良いですよ。
いすれにせよ、あなたの好みのコーデに寄せられる無地Tシャツ選びをしていただけたらと思います。
ではまた次回!
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