こんにちは、しょる(@SHOLLWORKS)です。
本日は、ユニクロのヒートテックの種類について解説していきたいと思います。
ヒートテックは2003年の発売以来、ユニクロの秋冬の主力となったメガヒット商品。
発売後から数年間は首周りの形状や半袖/長袖の違いくらいの展開でしたが、今や非常に豊富なラインナップとなっています。
また、最近は「普通の」ヒートテックだけでなく、「極暖」「超極暖」などといったシリーズも展開しています。
トップスとして着るTシャツにヒートテックの機能を盛り込んだり、毛布にもヒートテック機能を盛り込んだりしていますよね。
そこで、今回は「ヒートテックの種類やアイテム数が多くて、違いがよく分からん!」という方に向けた記事です。
プロのファッションデザイナーであり素材マニアでもある私が、ヒートテックの種類や違いを解説したいと思います。
【2024年最新】そもそも、ヒートテックとは?なぜ暖かいの?
まず、種類を解説する前に「ヒートテックとは」についてお話させていただければと思います。
ヒートテックが暖かくなる構造は、「吸着熱」という仕組みを、複数種の化学繊維の特性によって強化したもの。
決して超絶特殊な構造で作られていたりするなどの“魔法”はなく、吸着熱はどの服でも多かれ少なかれ起こる仕組みです。
具体的には、
素材のレーヨンやコットンなどが体表の水分を吸い上げ(蒸散)、衣類が水分を吸う際に吸着熱という現象が発生し、発生した熱がアクリル繊維によって保温される
原理的には、たったこれだけです。
あとは、ヒートテックの種類にも依りますが、ポリエステルやポリウレタンで耐久性や速乾性を確保したり、ブレンドしているそれぞれの素材の特性を活かして、機能を付与していたり。
ユニクロ以外のメーカーが出している商品も、生地素材の多少の違いはあれ、基本的に同様の原理です。
ヒートテックの違い&比較|プロが通常/極暖/超極暖の違いや特徴を解説
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それでは次に、ヒートテックの種類について解説します。
基本的には「普通のヒートテック」「極暖」「超極暖」の三種類に分かれますが、それぞれどんな特徴や違いがあるのでしょうか。
ヒートテック(通常シリーズ)
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長所
短所
まずは、通常のヒートテック。
(改良を重ねられているものの)当初から展開されているシリーズで、化学繊維を混紡している点や暖かくなる仕組みは同様です。
ヒートテックの中で最も薄地でストレッチ性が高く、インナーウェアとしてさまざまなアイテムを展開していることが特徴。
最も速乾性に優れているため、毎日洗って干して・・・を繰り返す忙しい人にとってありがたい特性です。
さらに、近年のモデルは抗菌防臭加工や静電防止加工を施すことで、ヒートテックの弱点である臭い移りのし易さや、着脱時に静電気でパチパチするのを(ある程度)防ぎます。
一方、改良型の「極暖」「超極暖」と比べると吸着熱量(=暖かさ)は控えめ。
また、強靭な化学繊維同士の混紡生地であるため、敏感肌や乾燥肌の方にとっては肌荒れの原因になりやすいです。
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その他、あくまで下着用であり、一枚で着るのが難しい服ががほとんどです。
ユニクロUのヒートテックコットンタートルネックT(長袖)のような例外はあるものの、基本的には「下着」と思ってください。
通常のインナートップス(要は下着としてのトップス)の場合、ジャケットのインナーとして少し見えている程度なら許容範囲ですが、初心者の方はTシャツと間違えて着用しないように注意してください。
- メンズの展開アイテム
- ヒートテッククルーネックT(半袖)/ヒートテッククルーネックT(9分袖)/ヒートテックVネックT(半袖)/ヒートテックVネックT(9分袖)/ヒートテックタートルネックT(9分袖)/ヒートテックタイツ(前開き)/ヒートテックコットンクルーネックT(長袖)/ヒートテックステテコ(前開き)/ヒートテックデオドラントソックス/ヒートテックフラッフィーカラーブロックソックス/ヒートテックパイルプレイティングリブソックス/ヒートテックフィンガーソックス/ヒートテックリブハイソックス/他多数
- レディースの展開アイテム
- ヒートテックUネックT(半袖)/ヒートテックキャミソール/ヒートテックキャミソール(レース)/ヒートテックブラタンクトップ/ヒートテックUネックT(8分袖)/ヒートテックバレエネックT(8分袖)/ヒートテッククルーネックT(長袖)/ヒートテックタートルネックT(長袖)/ヒートテックレギンス(10分丈)/ヒートテックマタニティレギンス(10分丈)/ヒートテックニットレギンス(リブ・14分丈)/ヒートテックニットレッグウォーマー(リブ)/ヒートテックニットタイツ/ヒートテックウエストウォームショートパンツ/ヒートテックボディウォーマー/ヒートテックハイソックス(2足組)/ヒートテックソックス(クルーケーブル・2足組)/他多数
ヒートテック「極暖」シリーズ(エクストラウォーム)
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長所
短所
ヒートテック「極暖」シリーズは、通常のヒートテックの肌面をコットンに&厚地にしたバージョン。
衣類の熱抵抗を表すCLO値を基に算出した数値によると、通常の「ヒートテック」よりも約1.5倍暖かいそうです。
通常のヒートテックとの違いは、主にポリエステルとレーヨンを除外し、代わりに肌面を中心にコットンにした上で保湿性を確保している点。
一方、アクリルや伸縮性を確保するためにポリウレタンを混紡している点は通常のヒートテックと同様です。
また「Tシャツ見え」する服が中心なので、コートやジャケットのインナーとして直接使用してもおかしくないもでるも多いです。
ある程度スリムなトップスのシルエットが好きな方にとっても「極暖」はオススメです。
一方、“良い違い”だけとは言えません。
速乾性の高いポリエステルが混紡されていない&厚地のため、通常のヒートテックと比べて乾くのが遅いです。
また、綿とアクリルを混紡させている関係上、かなり毛玉ができやすいことも欠点です。
個人的には、ヒートテックコットンレギンス&タイツが、なかなかの良アイテムと思っています。真冬のボトムスインナーにも◎。
- メンズの展開アイテム
- ヒートテックコットンクルーネックT(半袖)/ヒートテックコットンクルーネックT(9分袖)/ヒートテックコットンVネックT(半袖)/ヒートテックコットンVネックT(9分袖)/ヒートテックコットンワッフルクルーネックT(9分袖)/ヒートテックエクストラウォームクルーネックT(9分袖)/ヒートテックコットンVネックT(9分袖)/ヒートテックコットンタートルネックT(長袖)/ヒートテックコットンタイツ(前開き)
- レディースの展開アイテム
- ヒートテックシームレスリブクルーネックT(長袖)/ヒートテックシームレスリブタートルネックT(長袖)/ヒートテックコットンUネックT(8分袖)/ヒートテックコットンクルーネックT(長袖)/ヒートテックコットンタートルネックT(長袖)/ヒートテックエクストラウォームボアタイツ(10分丈)/ヒートテックコットンレギンス(10分丈)/ヒートテックエクストラウォームボアレギンス(10分丈)
ヒートテック「超極暖」シリーズ(ウルトラウォーム)
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長所
短所
ヒートテック「超極暖」シリーズは、通常のヒートテックをそのまま厚地にして、肌面の起毛感を工夫した暖かさ最強のヒートテック。
同じく、CLO値を基に算出した数値によると、通常の「ヒートテック」よりも約2.25倍暖かいそうです。
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パッと見から通常のヒートテックと違い、実際に手取ってみると厚地でふっくらとしています。
細かく起毛された肌面が包み込むのと同時に、実際に動いてみると伸びながらかなり芯のある硬めのヒートテックであることが分かります。
展開している種類こそ少なめですが、メンズ・レディースともにクルーネックやタートルネック、ボトムスインナーを展開しているので、「本当に防寒したい!」というシチュエーション向け。
一方、通常のヒートテックと基本的な素材構成が近いため、乾燥肌や敏感肌の方には向きません。
また、通常のヒートテックに施されている抗菌加工なども施されていないため、大量に汗をかく場面では注意が必要。
「暖かさのためには、その他の要素は厭わない」という方のためのヒートテックではないでしょうか。
- メンズの展開アイテム
- ヒートテックウルトラウォームクルーネックT(長袖)/ヒートテックウルトラウォームタートルネックT(長袖)/ヒートテックウルトラウォームタイツ(前開き)
- レディースの展開アイテム
- ヒートテックウルトラウォームクルーネックT(長袖)/ヒートテックウルトラウォームハイネックT(長袖)/ヒートテックウルトラウォームレギンス(10分丈)
ヒートテックの疑問に答える|着方やケアに関するあれこれ【乾燥機OK?】
ヒートテックの重ね着は意味ある?→なくはないが・・・
ヒートテックの重ね着は、「比較的薄地で暖かさを確保したい!」という方にとっては意味はあります。
先述の通り、ヒートテックはどの服にもある「吸着熱」という性質を、化学繊維のブレンドによって高めているインナーだからこそ、重ね着でより多くの吸着熱を発生させることは可能です。
ヒートテックファンの中には、「通常のヒートテックの上に、さらに大き目のサイズの『極暖』『超極暖』のヒートテックを重ね着する」という方も珍しくありません。
ただし、ヒートテックの重ね着は脱ぐことが難しいことが欠点。
寒がり&肌荒れに強い方であればともかく、暑がり&汗をかいてかぶれやすい方にとっては、オーバースペックになりがちです。
ヒートテックは乾燥機NG?→やめた方が良い
ヒートテックは乾燥機NGです。
理由は、ヒートテックに含まれる「ポリウレタン」が濡れたまま乾燥させると超劣化してしまう&水分で縮みやすい「レーヨン」の伸びたまま形状が戻りきらず、暖かくなる繊維構造も失われてしまうから。
洗濯→乾燥機を繰り返すと、すぐに“でろんでろん”になって上手く吸着熱を発生させることができなくなり、ヒートテックのメリットが失われます。
特に「乾燥機機能付きドラム式洗濯機」は、濡らしてからの急激な乾燥で生地を傷めやすいので注意が必要です。
また、ヒートテックの新品は特に熱を持ちやすくなっており、(ただでさえ故障しやすい)ドラム式乾燥機が故障しやすくなります。ドラム式洗濯機をご使用の家庭ではヒートテックだけ別にして、「乾燥機能なし」で洗いましょう。
毛玉ができてしまった!どうすれば良い?
ヒートテックの毛玉については、基本的にヒートテックが「下着」であるならば放置がベストです。
気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、元々が薄地なので取り過ぎない方がベターです。
ただし、「極暖」のようにTシャツ見えしたり、タイツなど生地表面が露出するものは(審美性の問題で)表面の毛玉を軽く取ってあげると良いですよ。
化学繊維をブレンドしている上に摩擦量の多いインナーなので、どうしても生地同士や肌面と擦れて毛玉ができやすいことは避けられません。
ここも、下着なのか外に見えているのかという違いで、多少施策を変えた方が良いでしょう。ブラシ型の毛玉取りは上手く取れないことが多いので、電動式の毛玉取りで表面を優しくなぞる程度に取ってあげましょう。
で、結局どのヒートテックが良いの?
結論、人や環境、シチュエーションでベストなヒートテックは異なります。
通常のヒートテックが良い人
レディースならではの冷やしやすい部分に対応したい
一人暮らしで洗濯干して乾いた物から着ていくスタイルだ
肌が比較的強い(荒れにくい)
ストレッチ性は捨てたくない
臭いにはちょっと気を付けたい
靴下はヒートテックを愛用したい
ヒートテック「極暖」が良い人
比較的肌が乾燥しやすい
ヒートテックの上に何かを着るより、1枚でインナーを完結させたい
毛玉取りが苦じゃない
ヒートテック「極暖」が良い人
とにかく暖かさが欲しい!
Tシャツ見えは重要視している
といった感じです。
それぞれの違いを踏まえて、ご自身の生活環境や価値観に合ったヒートテックを選んでくださいね。
終わりに|好きなヒートテックを選ぶも良し、ヒートテックを着ないも良し
今回は、ヒートテックの種類や違いについてお話しさせていただきました。
今や、沢山の種類が展開されているヒートテック。
決して「メリットだらけ」というわけではありませんが、実際の機能性&寒い季節の心の拠り所となるイメージから、愛用されている方も多いと思います。
個人的には、乾燥しがちな肌&見た目の観点からヒートテック「極暖」が好きです。
乾くのが遅いですが、それでも、肌面がコットンになっているメリットを重視しています。
もちろん、乾燥肌や敏感肌に悩む方は、ヒートテックそのものをやめるという選択肢もあります。
ダウンジャケットを着たり、空気の出入れを調節するなど他の手段も検討してみてください。
ぜひ、ご自身のスタイルや状況に合わせて、最適な選択をしていただけたら嬉しいです!
おしまい!
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