こんにちは、しょる(@SHOLLWORKS)です。今回はイギリス(英国)のスーツブランドをご紹介させていただきます。
英国はテーラーの原点にして、スーツの発祥といわれる国。
特に「テーラーの聖地」といわれるサヴィルロウは、日本でスーツを意味する「背広」の語源にもなったという説もあるほどです。
日本にイギリスのファッションが(本格的に)紹介されたのは1980年代に入ってからです。
しかし、英国はスーツにおける歴史の中心に立ち続けてきたことは間違いありません。
また、イギリスの有名スーツブランドの特徴として、ビスポークと既製服で価格帯が大きく異なることが挙げられます。
これは、1990年代頃からの「ニュービスポーク」という動きで、サヴィルロウの名店といえどビジネス形態を見直さなければならない程、既製服が当たり前になったということ。
その分、既製スーツは比較的入手し易くはなっていますので、ぜひご一読ください!
イギリスのスーツブランド14選|プロ視点、高級・一流・有名をご紹介!
ハンツマン(HUNTSMAN)
Image photo by HUNTSMAN
- 参考価格
- 400,000円(既製服)
ハンツマン(HUNTSMAN)は、英国・サヴィルロウの中でヘンリープールと並ぶ最高峰のテーラー。
創業1849年、スーツの歴史と共に歩んできたテーラーは、王侯貴族やエグゼクティブを中心に顧客を抱えています。
ビスポークが非常に有名ですが、既成スーツも少数ながら販売・購入可能。
イギリスのスーツブランドは既成服の価格を抑えるところが中心ですが、ハンツマンの場合は非常に高価。
30~40万円程度がプライスゾーンとなっています。
既成服でもオーダーメイドでも、英国で最も権威あるブランドです。
あなたが本当の服好きならば、ハンツマンの一つ釦テーラードジャケットは必見の一着です。
ヘンリープール(HENRY POOLE)
Image photo by HENRY POOLE
- 参考価格
- 300,000円~(オーダースーツ)
ヘンリー・プール(HENRY POOLE)は1806年創業。
サヴィルロウに現存する最古のテーラーにして、今日まで数々の有名顧客を抱える名店です。
具体的には、ナポレオン三世やウィンストン・チャーチル、白洲次郎など歴史的な人物が名を連ねます。
日本では、百貨店のメイド・トゥ・メジャーが中心です。
オリジナル型紙をもとに、日本人体型を考慮して調整された型紙を使った日本製オーダーメイド・スーツですが、ヘンリー・プールらしさを体感できるれっきとしたスーツです。
また、初めてタキシードスーツを製作したのもヘンリー・プールです。
プリンス・オブ・ウェールズ(後の英国王エドワード7世)がヘンリー・プールに「モーニングを短くカットしてほしい」と依頼したことが、スーツの丈が現在の長さになる切欠となったそうです。
ギーヴス&ホークス(GIEVES&HAWKES)
Image photo by The ROYAL WARRANT HOLDERS
- 参考価格
- 270,000円(既製服)
ギーブス&ホークス(GIEVES&HAWKES)は1975年に誕生したテーラー。
1785年創業の「ギーブス」、1771年創業の「ホークス」という、サヴィルロウの名店が合併したことにより誕生しました。
ギーブス&ホークスは前身から二百年余に渡り、英国王室御用達(ロイヤルワラント)の認可を受けています。
現在も、サヴィルロウを代表するテーラーとして非常に有名です。ハンツマンやヘンリープール同様、超一流のオーダーメイドと既製服の双方を展開しています。
フルオーダーの価格はもちろん、既製服に関しても20万円台~と、後述のテーラーよりも高めの価格設定です。
アクアスキュータム(Aquascutum)
Image photo by Aquascutum
- 参考価格
- 176,000円
レア度: (3.8 / 5) クオリティ: (3.8 / 5) おすすめ度: (4.0 / 5)
アクアスキュータム(Aquascutum)は1851年、ロンドンにて創業した歴史あるブランド。
ブランド名は水(aqua)+盾(scutum)に由来し、クリミア戦争や第一次世界大戦において、英国軍へ防水生地のコートを提供したことで知名度を高めていきました。
元々は英王室御用達(ロイヤルワラント)ブランドとして名を馳せ、非常にハイクオリティなブランドとして有名でした。
現在は破綻した旧レナウンから、オッジ・インターナショナル(老舗アパレルの小泉の子会社)へ譲渡され、そしてオッジインターナショナルは2024年11月に新生「レナウン株式会社」へ改称。
価格も高いものの、高品質な日本製製品としてなかなかの出来映えになっています。
ティモシーエベレスト(Timothy Everest London)
Image photo by 大賀(ohga)
- 参考価格
- 100,000円(大賀製)
レア度: (4.0 / 5) クオリティ: (3.5 / 5) おすすめ度: (3.5 / 5)
ティモシーエベレスト(Timothy Everest London)は1989年、ティモシー・チャールズ・ペト・エベレストによって立ち上げられた新興テーラリングブランド。
1990年代以降のスーツに対するニーズの変化を感じ取り、ファッション要素を導入したブランドです。
創業期からプレタポルテ(高級既製服)市場に進出した「ニュービスポークテーラー」として知られます。
一方、比較的歴が浅いブランドながらテーラーとしても格が高く、ビスポークに関しては40万円前後がプライスゾーン。
日本市場の流通分は大賀(おおが)というメーカーが製造しているライセンスブランドですが、良質な既成スーツを提供しています。
ダンヒル(Dunhill)
Image photo by dunhill
- 参考価格
- 242,000円
レア度: (3.5 / 5) クオリティ: (3.5 / 5) おすすめ度: (3.4 / 5)
ダンヒル(dunhill)は1893年創業、スーツを中心に据えているメンズクロージングブランドにして、ロンドンを代表するファッションブランド。
テーラーの伝統や格式とはまた違った、高いブランドイメージによるラグジュアリー感が特徴。
スーツを中心として、ビジネス&ビジネスライクなトータルファッションを提案しています。
ダンヒルは(エルメスと同じく)馬具専門店として始まりました。
自動車の時代の到来と共に「旅行をイメージさせるメンズウェア」を展開したことで、一躍大人向けのブランドとして知名度を上げました。
Image photo by dunhill
スーツに関しては、デザイナーズブランドらしく生産性を重視したマシンメイド率の高いスーツです。
しかし、生地や副資材に高級感があり、フィッティングも決して悪くはありません。
また、サッカー日本代表のオフィシャルスーツも提供しており、スーツやネクタイなどを毎年「SAMURAL BLUE COLLECTION」として発売しています。フットボール好きにも良いブランド。
バーバリー(BURBERRY)
Image photo by BURBERRY
- 参考価格
- 429,000円
レア度: (3.5 / 5) クオリティ: (3.5 / 5) おすすめ度: (3.4 / 5)
バーバリー(BURBERRY)は1856年、トーマス・バーバリーによって創業した英国のファッションブランド。
元々はコートがブランドのアイデンティティとなっていますが、合わせて着るスーツも注力しています。英国のトップデザイナーズブランドのひとつで非常に高価ですが、ステータスあるブランド物が欲しい方向けです。
バーバリーの場合、近年までは日本ではライセンスブランドを中心に人気を博していましたが、2010年代中盤よりブランド路線を切り替え。ライセンスを停止した高級路線に舵を切りました。
バーバリーは1879年、農耕民のために防水性に優れた綿素材生地であるギャバジンを発明し、ボーア戦争ではタイロッケンコートを製造しました。
さらに、第一次世界大戦前後ではトレンチコートを開発・製造。戦後、民間に“軍モノ”が流れたことでバーバリーの名も知れ渡るようになり、トレンチコートを代表するブランドとして認知を獲得しました。
リチャードジェームス(RICHARD JAMES)
Image photo by RICHARD JAMES
- 参考価格
- 125,000円(既製服)
レア度: (4.5 / 5) クオリティ: (3.3 / 5) おすすめ度: (3.4 / 5)
リチャードジェームス(RICHARD JAMES)は1992年、英国・サイヴィルロウにオープンしたブランド。こちらも「ニュービスポーク」に属する、現代型スーツブランドのひとつです。
歴史の深いテーラーというわけではないものの、ビスポークとしてのクオリティは屈指の実力派。
時代の流れに乗ったコンテンポラリーラインと、テーラーとしてのクラシックなラインを融合させた展開が特徴です。
現在は日本市場から撤退しているものの、グローバルなECストアにて購入可能です。
マッキントッシュ(MACKINTOSH LONDON)
- 参考価格
- 143,000円
レア度: (3.5 / 5) クオリティ: (3.2 / 5) おすすめ度: (3.4 / 5)
マッキントッシュ(MACKINTOSH LONDON)は19世紀に誕生したスコットランドのブランド。チャールズ・マッキントッシュによって、1823年に発明されたゴム引きコートに端を発しています。
現在はコートだけでなく、スーツなどトータルウェアを提供するファッションブランドへとなりました。
コート同様、スーツに関しても価格は高め。世界の有名ミルから提供された生地を用いてそれなりのスーツにしています。
世界初の防水布としてコートなどを提供する一方、2007年には日本の八木通商がマッキントッシュ社を子会社化。そ
のため、日本市場での展開も充実しているブランドです。
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ダックス(DAKS)
Image photo by ONWARD CROSSET
- 参考価格
- 132,000円
レア度: (3.8 / 5) クオリティ: (3.3 / 5) おすすめ度: (3.4 / 5)
ダックス(DAKS)は1894年、ロンドンにてテーラーとして創業したブランド。
テーラー発ながら、現在はメンズ・レディース共に既製服を中心とするトータルファッションブランドです。
ダックスが有名になったのは、やはりスーツでした。1920年代にはミシン縫製が中心となる、マシンメイドのテイラード「シンプソンスーツ」の量産や、ベルトレスパンツ「DAKS TOP」などを発表。
以降、英国を代表するブランドとして認知されるようになりました。
スーツに関しては、現在は日本のオンワード樫山が手掛けています。価格もなかなかの高さですが、程よいブランド感と一定のクオリティを提供しています。
マーガレットハウエル(MARGARET HOWELL)
Image photo by MARGARET HOWELL
- 参考価格
- 121,000円
レア度: (3.8 / 5) クオリティ: (3.2 / 5) おすすめ度: (3.4 / 5)
マーガレットハウエル(MARGARET HOWELL)は1970年、メンズシャツから始まったデザイナーズブランド。
タイムレスなラインナップが魅力で、クラシカルなトータルウェアを展開しています。
スーツに関しては、英国を代表する生地メーカーである「フォックスブラザーズ」の生地を使用したものが有名です。
日本の株式会社TSIが親会社となっており、布帛商品は日本製や中国製が中心。
都会的というよりはナチュラルで、どこか抜け感があるスタイルが好きな人に向いています。
アレキサンダーマックイーン(ALEXANDER McQUEEN)
- 参考価格
- 528,000円
レア度: (4.5 / 5) クオリティ: (3.2 / 5) おすすめ度: (3.0 / 5)
アレキサンダーマックィーン(ALEXANDER McQUEEN)は、型破りなショーやルックで評価を浴びる、前衛的なデザイナーズブランド。
創業者リー・マックィーンは、1992年に自身のブランドをスタートし、輝かしい功績を残した英国屈指のデザイナーでした。
リー・マックィーンは2010年、40歳という若さで帰らぬ人となってしまいますが、ブランドはマックィーンの右腕であった、サラ・バートン、そして現在はショーン・マクギアーによって率いられています。
スーツに関しては、先述のハンツマンが製造を手掛けたスーツを出したこともあり、モードの革新性と相まった面白いラインナップを展開していることが特徴。
デザイナーズブランドは「世界観が気に入るか否か」の世界ですが、個人的にはマックィーンのスーツは面白いので好きです(普段のビジネススーツとして向いているかは別ですが)。
また、リー・マックィーンを描いた映画、「マックイーン:モードの反逆児」は、ファッション好き必見の映画です。
ポールスミス(Paul Smith)
Image photo by Paul Smith
- 参考価格
- 110,000円(SOHO)
レア度: (3.8 / 5) クオリティ: (3.3 / 5) おすすめ度: (3.0 / 5)
ポールスミス(Paul Smith)は創業1970年、デザイナーズブランドの特徴や価値が分かりやすいブランド。
「ひねりのあるクラシック」をテーマに、アートや写真、建築など、多岐にわたるインスピレーションの源を服へと落とし込んでいます。
ポールスミス本人がテーラーで修業していたこともあり、スーツの展開も充実しています。スーツにも大胆に裏地やディテールに落とし込まれており、どこか“変わった”スーツが欲しい方にもオススメ。
ゼニアやドーメルなど有名ミル/マーチャントの生地が使用されたり、基本的な部分は押さえられています。
着る人を選ぶことは間違いありませんが、ただの色物ではないと思います。
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ハケットロンドン(HACKETT LONDON)
- 参考価格
- 115,500円
レア度: (4.0 / 5) クオリティ: (3.2 / 5) おすすめ度: (3.0 / 5)
ハケットロンドン(HACKETT LONDON)は1983年、ジェレミー・ハケットがスタートさせたブランド。
テーラーというよりもファッションブランドで、スーツからカジュアルまで楽しめます。
もちろん、紳士服の基本であるスーツも充実しており、シンプルながら遊び心を感じさせるモデルが揃っています。
日本での知名度が高いというわけではありませんが、ハーディエイミスからサヴィルロウの店舗を引き継ぎ、世界的にも展開しているブランド。
日本にも銀座に直営店がありましたが、残念ながら2021年に撤退しています。
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