こんにちは、 しょる(@SHOLLWORKS)です。
本日は、クラークスのデザートブーツ について。
デザートブーツ は、カジュアルシューズの元祖にして代表作。
- ファッション初心者だけれど、どんな靴を履けば良いのか分からない・・・
- 一足でさまざまな着こなしができる靴があると便利
- 長年愛用できる相棒みたいな靴が欲しい!
といったものを探している人に最適です。
一方、
ファッション初心者だけれど、どんな靴を履けば良いのか分からない・・・
デザートブーツのサイズ感や履き心地が知りたい!
長年履けるのか、手入れのコツなども知りたい!
という点が気になりますよね。
そこで今回は、プロのファッションデザイナーである私が、デザートブーツはどんな人に向いているのか解説します。
併せて、最後までお読みいただければ、デザートブーツはダサいのか?履いていて疲れるのか?履き心地は快適か?といったことも分かる内容になっています。
それでは本日も、よろしくお願いします。
デザートブーツとは?概要や特徴を解説
まず、デザートブーツが一体どんな靴なのか。
ご存知の方も多いと思いますが(改めて)解説します。
カジュアルシューズを代表する名作
Image Photo by Clarks
クラークスのデザートブーツは、1949年に開発されたカジュアルシューズの祖。
それまで現在のようなビジネスシューズでもない、スニーカーでも重厚なブーツないという靴はなかったため、カジュアルシューズの代表作として知られる靴です。
クラークス自体は1825年から続くブランドですが、創業家の4代目であったネイサン・クラークが、エジプトのバザールで見かけた軍用ブーツに着想を得て誕生したそうです。
翌1950年に発売されたデザートブーツは、当初英国での反応はいまひとつだったそうですが、アメリカでヒットし逆輸入の形で定番化しました。
それまでの革靴はドレスシューズやブーツが中心であったため、「全く新しい靴」であったことが賛否両論を呼ぶことに。
この、ビジネス用ではないけれどスポーツ用でもない塩梅が、「カジュアルシューズ」というジャンルを築き上げました。以降、70年以上にわたるロングセラーとして世界中で愛用されています。
柔らかく歩きやすい靴
デザートブーツの魅力は、
- 柔らかいアッパー
- クッション性に優れたクレープソール
の、組み合わせにあります。
スエードを使用したアッパーは足を優しく包み込み、裏地を省いたアンライニング仕様が通気性を高めています。
同じ革靴でも、芯が入ってしっかりしたビジネス用の靴とは異なる、絶妙なカジュアル感があります。
ただし、クレープソールはアスファルトの上では削れやすいため、後述の工夫をすると良いですよ。10年15年余裕で保ちます。
とてつもなく広いコーデ幅に対応する
Image Photo by WEAR
デザートブーツの大きなメリットとしては、コーディネートの幅広さが挙げられます。
デニムやチノパンといったメンズの定番ボトムスとの相性はもちろん、柄があれば落ち着けてくれて、無地ならばノームコアなスタイルを演出してくれます。
ハイカットであるため、スキニージーンズのような極端に細いシルエットのボトムスとは相性が悪いですが、ざっくり言うとそれ以外なら大体OK。
超、守備範囲が広い靴です。
Image Photo by Clarks
メンズだけでなく、レディースやキッズ用もあります。
カラーやサイズ展開も豊富で、好みやコーデに合わせて選ぶことができます。
近年はソールの素材が選べる
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また、近年は先述のクレープソールの他に、ビブラムソールやオリジナルのラバーソールも選べます。
詳しくは後述しますが、デザートブーツEVOや、ゴアテックスモデルなどはクレープソールではないソールが採用されています。
クレープソールはデザートブーツのアイデンティティのひとつだと思いますが、ビブラムやラバーソールの方が耐久性は高いため、価値観に合わせて選ぶことも可能。
私はデザートブーツならクレープソールのモデルを選びますが、ビブラムも好きです。
特にスエードのモデルは手入れも楽
Image Photo by Clarks
また、デザートブーツは表革のモデルもありますが、裏革を起毛させたスエード素材が中心です。
スエードは一見、手入れが難しそうですが、実は非常に管理がしやすい革です。
手入れは日常的なブラッシングと防水スプレーの使用だけ。しかも、スエードは表革と異なり、乾燥による革が割れるリスクもほとんどありません。
特に、「ブラウンスエード」や「ブラックスエード」は汚れも目立たないため、10年履いても現役バリバリという愛用者も多いです。
後述で紹介している私の「ローデングリーン(深緑)スエード」は、なんと18年選手です。
デザートブーツのレビュー|プロの評判とサイズ感は?
次に、デザートブーツの個人的に思う点をレビューします。
私はもうすぐ38歳ですが、19歳からデザートブーツを愛用しています。
デザートブーツ歴18年かつプロの視点から、実際の使用感や手入れ方法、選び方について詳しく解説します。
18年愛用しているが、手放せない相棒
私のデザートブーツ(の中の一足)がこちら。「ローデングリーンスエード」という、稀に発売することがある“くすんだ深緑色”です。
最初に購入したデザートブーツはサンドスエードでしたが、このローデングリーンは4、5足目に購入したと記憶しています。
10年以上履いており、今でも年に30回程度は履くと思いますが、後述の手入れのコツを徹底すると綺麗なものです。
確かですが、2010年代の前半に購入したモデルです。
スムースレザーのデザートブーツを購入したこともありますし、「ダークブラウンスエード」BEAMS別注の「ウーブンレザー」、カーフスエードを用いた「キャラメルスエード」、「60周年記念モデル」、「65周年記念モデル」など、結構持っています(した)。
デザートブーツのサイズ感
Image Photo by Clarks
デザートブーツのマイサイズはUK8.5(26.5cm)。
私の場合は、人差し指の長いギリシャ型で、踵~人差し指の先端までが27.5cm、親指までが27cm、足幅の一番長い部分が10cm。スタンスミスで27.5cm、ドクターマーチンでUK9(ちょっと緩い)、大体の英国靴で8.5Fサイズです。
公式情報の通り、スニーカー-0.5cm~-1cmくらいが合うと思います。
購入を検討される場合の参考にしていただけたら幸いです。
足幅にゆとりがあり、甲の高さは普通程度
Image Photo by Clarks
デザートブーツは、足幅にややゆとりがある設計です。
ウィズは2Eでやや広い程度ですが、アンライニング&本革で横に馴染むため、親指や小指の圧迫感を感じる人は少ないと思います。
2、3回履いて歩くと、途端に足に馴染んで痛くなくなる感じです。
一方、甲で押さえるタイプの靴であるため、甲が高い方はやや要注意。
もちろん外羽根の靴なので、ある程度は調整できます。
目安として、外羽根と外羽根の間が1.5cm~2cm程度開くくらいがちょうど良いです。
クラークス全体に言えるが、踵はやや緩め
Image Photo by Clarks
クラークスの定番モデル(デザートブーツ/ワラビー/デザートトレック/ナタリー)はいずれも、踵のフィット感は緩めです。
クラークスというブランドがスリッパという商品から始まった名残かもしれませんが、アッパーの甲とソールの返りが良く、それで歩くという感じです。
クラークスの履き心地が良いかは人に依る部分がありますが、目安のひとつとして「スリッパを履くのが好きか」という指標は役立つかもしれません。
スエードの手入れはブラッシングと防水スプレーが基本
デザートブーツ(ワラビーやトレックも同じですが)の手入れ、特にスエードのモデルは、
- ブラッシング
- 防水スプレー
の2つがあれば基本OKです。
ちなみに「スエードは雨に弱い」とよく言われますが、これは必ずしも正しくありません。
そのままの状態だと水シミができやすいですが、防水スプレーをしっかりと使用することで表革よりも強くなります。
ブラッシングで毛並みを整えれば、スエード特有の質感を保ちながら、汚れも目立ちにくくなります。
特にブラウンスエードやブラックスエードなどの濃色×スエード素材は、何年もきれいな状態を保つことが可能です。
スムースレザーは上記+靴クリームがあると良いですよ。オススメのケアグッズは下記に置いておきました。
このアイテムもあれば手入れは盤石
そして、クラークスのクレープソールは、例えばビブラムソールと比べてアスファルトで削れやすいです。
しかし、下記動画の「シューグー」を用いることで文字通り復活できますし、購入後薄く塗ってから履くと、踵やつま先が削れないクレープソールが誕生します。
クレープソールの場合、余程減っている場合でもなければヘラを使わずともチューブから直接塗っても失敗しにくいです。
価格も安いため、とてつもなく保つデザートブーツになりますよ。
また、濃色のモデルはクレープソールの側面だけ色が塗られていますが、履いて歩いている内に剥げてきます。
上記のコバインキを塗ってあげると、一気に綺麗になって甦ります。
こちらも塗るのは簡単なので、ぜひ駆使して長年愛用してください。
ちなみに、コロンブスのコバインキは「レザーソール用」「合成ソール用」とありますが、クレープソールは合成ソール用が良いですよ。
デザートブーツの疑問に答える
ここでは、デザートブーツに関する疑問にお答えします。
「ダサい?」という評価や履き心地、派生モデルとの違い、長く履くためのコツについて詳しく解説します。
デザートブーツはダサい?➡「ダサ可愛い」から良いんじゃないか?
デザートブーツが「ダサい」のかという疑問についてですが、そもそも、これは論点がズレているように思えます。
ドレスシューズのようなスタイリッシュでフォーマル感がない、カジュアルで緩い、そして履きやすいのがデザートブーツです。
ダサいと言えばダサいですが、そこが良い。それがカジュアルシューズというジャンルですし、カジュアルシューズというジャンルを作ったデザートブーツの良さです。
しかし、このクラシックな様相でいて履きやすいのと、他の服を引き立てるコーデがお洒落にしてくれる靴です。
スタイリッシュな見た目ではないですが、デザートブーツを上手くコーデに組み込んだ服装全体はお洒落になれます。
デザートブーツとデザートブーツ2(➡EVO)の違い
ノーマルのデザートブーツとデザートブーツ2(➡後継モデルがEVO)の違いは、
- ソールの素材の違い(EVOはラバーソール)
- EVOはつま先の返りが強い
- インソールのクッション性(EVOの方がクッション性がある)
です。
EVOはラバーソールである分削れにくく、元々のつま先に返りが付いています。
また、インソールがクッション性が高く、微妙にですがシルエットもコンフォート寄りです。
クレープソールの天然感が好きな人、通気性重視の人はノーマルのデザートブーツ、そしてラバーソールの耐久性やコンフォートな履き心地はEVOに軍配が上がります。
デザートブーツとブッシュエイカー3の違い
また、クラークスにはデザートブーツのエントリーモデルとして、「ブッシュエイカー3」というモデルがAmazon限定で販売されています。
このモデルの最大の特徴は、~1万円台前半という比較的リーズナブルな価格で購入できること。
製法はオリジナルのデザートブーツと(若干ですが)異なり、クレープソールに似た合成ソールを採用しています。
若干革質がデザートブーツよりも良くないですが、見た目はほぼ同じです。
特に、セール時にはさらに手頃な価格で購入できるため、初めてクラークスを試したい方におすすめです。
デザートブーツを履いていると痛くなる/疲れる人の原因は?
デザートブーツは足幅が広めに設計されていますが、甲でフィットさせる構造です。
ある程度革が伸びてフィットしてきますが、甲の高さや踵のホールド感が合わないと疲れや痛みを感じることがあります。
特に、踵のフィット感が緩い設計が特徴で、歩き方によっては擦れやすい場合もあります。スリッパのような軽い履き心地が好きな人には合いやすい一方で、しっかりとしたホールド感を求める方には苦手に感じられるかもしれません。
最近の派生モデルではインソールやアウトソールの改良が進み、ホールド感が向上しているため、ノーマルよりも「デザートブーツEVO」や「ブッシュエイカー3」を試してみるのもおすすめです。
終わりに|デザートブーツを長年の相棒にしよう
今回は以上です。
クラークスのデザートブーツは、カジュアルシューズの祖。
シンプルなデザインながら見た目も履き心地も優しいのが魅力の一足で、天然ゴムのクレープソールとアッパーの柔らかさが絶妙に“たまらない”靴です。
無駄をそぎ落としたデザインは、カジュアルな装いからきれいめなコーディネートまで幅広く対応し、シーズンやシーンを問わず活躍します。
また、適切にケアすることで、長年愛用することも可能です。
ステッチダウン製法で作られているため、ソールの交換(オールソール)が1〜2回可能ですが、何よりもブラッシングと防水スプレー、そしてシューグー&コバインキ。
これらを用いることで、特に、色の濃いスエード素材は10年以上愛用することも可能です。
初心者がステップアップする靴としても、中上級者の信頼の足元としても。
デザートブーツはとても信頼できるカジュアルシューズです。
一緒にデザートブーツを長年履いて、ファッションを楽しみませんか!
おしまい!
(少しでもお役に立てられたなら、SNSに拡散していただけると嬉しいです!)