こんにちは、しょる(@SHOLLWORKS)です。本日は、「ジョジョの奇妙な冒険」第6部となる「ストーンオーシャン」と、ファッションブランドについて。
私も、「めちゃくちゃ凄いジョジョマニア」という程ではないですが、普通にコミックスを何回か読んでアニメも観ているといったレベルでは好きです。
そして、6部の「ストーンオーシャン」は、登場人物の大半の名前が、ファッションブランドないしブランドに近い名前になっています。
そこで今回は、「ストーンオーシャン」の登場キャラの名前は、どんなブランドかを、プロのファッションデザイナーである私が解説させていただきました。
これから「ストーンオーシャン」に始めて触れる方向けに、どんなキャラか詳細は割愛しました。
スタンド含め、核心に迫るようなネタバレ要素は書いていませんのでご安心ください。
【元ネタ】ジョジョ6部「ストーンオーシャン」のキャラ名にもあるファッションブランドは、どんなブランド?
エルメェス・コステロ・・・エルメス(HERMES)
“6部のポルナレフ”ことエルメェス・コステロ。
彼女の名前に近しいブランドは「エルメス(HERMES)」。同時に、英国のミュージシャン、「エルヴィス・コステロ」と組み合わせた名前のようです。
「エルメス」は1837年創業、ティエリ・エルメスがパリに開いた馬具工房に始まりました。
特に革製品に定評があり、「バーキン」「ケリーバッグ」といったアイコニックなアイテムはあまりに有名です。
ブランドの中でも「別格」の存在で、格も価格帯も圧倒的な「ブランドの中のブランド」としてのステータスを誇ります。
2020年にはコスメもローンチし、あらゆる方面から憧れのブランドの立ち位置をほしいままにしています。
エンポリオ・アルニーニョ・・・エンポリオ・アルマーニ(EMPORIO ARMANI)
6部の裏主人公的なポジションである少年、エンポリオ・アルニーニョ。彼の名前に近いブランドは、「エンポリオ・アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」。
「エンポリオ・アルマーニ」はミラノを代表する「ジョルジオ・アルマーニ」のセカンドライン。
ややターゲット年齢層、価格帯を下げたディフュージョンラインとはいえ、単独のブランドとしてもステータスを確立するビッグブランドです。
サッカーイタリア代表のスーツを手掛けているのも、エンポリオ・アルマーニです。
また、「EA7」という元サッカー選手のアンドリュー・シェフチェンコとのコラボレーションによって始まったスポーツラインも知名度が高く、こちらは(比較的)価格帯も抑えめで手の届きやすいラインになっています。
ナルシソ・アナスイ・・・アナスイ(ANNA SUI)
暴力的で中性的、徐倫に恋心を抱く青年のナルシソ・アナスイ。彼の名前と同名のブランドに、「アナスイ(ANNA SUI)」があります。「祝福しろ」。
「アナスイ」は、中国系アメリカ人のアナ・スイが立ち上げたNYのブランド。
蝶をモチーフにしたアジアンテイストの世界観で、日本でも親しまれてきました。
日本国内ではコスメが非常に有名で、百貨店の化粧品売り場でよく目にします。
若年層向けのブランドとして認知されており、イメージキャラクターもデビュー当時の杏さんや、乃木坂46さんなど、伝統的に若年層の方々を起用してきました。
エートロ・・・エトロ(ETRO)
ジョジョ定番の近距離型パワースタンド、通称F・Fのエートロ。名前に近いブランドは「エトロ(ETRO)」。
「エトロ」は1968年創業。元々はカシミール地方のショールを復元しようとテキスタイルの自社生産を始めたことが発端です。ペイズリー柄を配した商品が非常に有名です。
アパレルの他にインテリアなども手掛け、現在もミラノを代表するブランドの一つです。
グェス・・・ゲス(GUESS)
“マウント取り”のグェス。 彼女の名前と近いブランドは、「ゲス(GUESS)」。
「ゲス」は1981年創業のアメリカのブランド。一度は、日本でライセンスブランドとして展開されていたものの撤退しました。
近年、日本に再上陸して、ストリートブームと共に知名度を高めたブランドです。
ちょっとやんちゃな感じの服が中心で、10代、20代の子たちが身に付けているのを見かけます。
アウトレットモールにも積極的に店舗を構えているブランドです。
ジョンガリ・A・・・ジョン・ガリアーノ(JOHN GALLIANO)
ほぼ盲目ながら、凄まじい狙撃の腕を持つジョンガリ・A。彼の名前と近いブランドは、「ジョン・ガリアーノ(JOHN GALLIANO)」。
「ジョンガリアーノ」は、むしろデザイナー本人が有名です。
ガリアーノの本懐は、シーズンごとに世界のさまざまな民族衣装をインスピレーション源として、多様なクリエイションを展開する点にあります。
2010年代の前半は、(とある事情で)暫くファッションの表舞台から姿を消していました。
しかし近年、「メゾン・マルジェラ」のディレクターとして復活。同ブランドを見事に復活させ、本人も第一線にカムバックしました。
サンダー・マックイイーン・・・アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)
小心者ながら非常に怖いスタンドを持つ 、サンダー・マックイイーン。彼の名前と近いブランドは、「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」。
「アレキサンダー・マックイーン」は、英国を代表するメゾンブランド。
創業者のリー・マックイーンは惜しむらくは2010年に亡くなりましたが、現在も非常に人気の高い世界的なブランドです。マックイーンショルダーと形容されるテーラードや、スカルモチーフなどがブランドのアイコンです。
ちなみに、ストーンオーシャンの連載時、マックィーン本人は「ジバンシィ」のデザイナーとしても活躍しており、自身のブランドと二足の草鞋を履いていました。
ところが、自身のブランドをジバンシーの親会社(LVMH)のライバル企業であるケリング(グッチグループ)に売り渡し、ジバンシーを更迭されるという憂目にも遭っていました。
ラング・ラングラー・・・ラングラー(WRANGLER)
無重力を操るラング・ラングラー。 彼の名前と同名のブランドは「ラングラー(WRANGLER)」。
「ラングラー(WRANGLER)」は、1904年創業のアメリカのデニムブランド。
「リーバイス」「リー(LEE)」と併せて、世界3大デニムブランドと位置付けられるメジャーブランドです。
Amazonより引用
ラングラーは元々、カウボーイ向けのデニムを作っていました。
カウボーイがベルトにロープを巻き付けることから耐久性を重視して開発した「7本ベルトループ」仕様は、今もブランドの特徴として残っています。
バックポケットの「W」も印象的ですね。
スポーツ・マックス・・・スポーツマックス(SPORTMAX)
エルメェスの因縁の相手、中ボス的存在のスポーツ・マックス。彼の名前と同名のブランドは、「スポーツマックス(SPORTMAX)」。
「スポーツマックス」は、「マックスマーラ」のモードカジュアルライン。エレガンスを前面に出したイタリアのブランドです。
より若年層にターゲットを絞ったディフュージョンラインで、トレンドを意識しつつ、名前通りのアクティブで若々しい×カッコいい女性像を与えてくれます。
ケンゾー・・・ケンゾー(KENZO)
風水の力で立ちはだかる老人、ケンゾー。彼と同名のブランドに「ケンゾー(KENZO)」があります。
「ケンゾー」は1970年、日本人デザイナーの高田賢三によって設立されたブランド。
1970年代を代表する世界的デザイナーで、フォークロアで民族衣装的、活き活きとしたミニスカートスタイルが特徴。
本人は1999年にブランドを離れますが、2004年のアテネオリンピック日本選手団の衣装をデザインするなど、日本人デザイナーの先駆けたる一人でした。
2020年、コロナウイルスによる合併症で死去しています。
DアンG・・・(D&G、ドルチェ&ガッバーナ)
ノストラダムスの大予言という、懐かしいものを思い出させてくれるDアンG。彼の名前に近い?ブランドは「D&G(ディーアンドジー)」。
「D&G」は、「ドルチェ&ガッバーナ」の、かつて存在していたセカンドライン。
「シチリアの強い女」をテーマにコレクションを展開し、ゴージャスなイメージの強いブランドです。
奇しくも、ストーンオーシャンの舞台である2011年に日本から撤退し、翌年にはセカンドラインの「D&G」ブランド自体をクローズしています。
余談ですが、「ドルチェ&ガッバーナの香水」は、2021年までは資生堂が作っていました。
グッチョ・・・グッチ(グッチオ・グッチ)
引用:ジョジョの奇妙な冒険
同情は難しいものの、惨めない敵キャラのグッチョ。類似の名前となるブランドは、言わずと知れたメガブランドの「グッチ(GUCCI)」。
SNS時代に則した強かな変容など、現代のブランドを代表する存在だと思います。
2022年には創業100周年を迎えました。商品にロゴを最初に配したブランドといわれており、「GGシグネチャー」のバッグや財布などのアクセサリー類はあまりにも有名でしょう。
グッチョという名前は、グッチの創業者のグッチオ・グッチとも掛けているのだと思います。
ジョジョ好きなら、グッチとのコラボレーションは記憶に新しいと思いますが、当時は日本だけでなくNY5番街のグッチにも徐倫がいました。
エンリコ・プッチ・・・エミリオプッチ(EMILIO PUCCI)
間違いなくジョジョ最強キャラの一人、エンリコ・プッチ(プッチ神父)。スタンドのチートっぷりが際立つ彼の名前に近いブランドは、「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」。
創業者のエミリオ・プッチは、「プリントの王子」と呼ばれたデザイナー。
貴族の家に生まれ、スキーのイタリア代表選手→空軍パイロット→政治家→ファッションデザイナーという、面白い経歴の持ち主です。1992年に死去。
現在もプリントのドレスやビーチウェアなどがブランドの中心。
プリント柄が好きな人にとっては憧れのブランドの一つ。
ヴィヴァーノ・ウエストウッド・・・ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)
「刺客スタンド使い」の中の武闘派、ヴィヴァーノ・ウエストウッド。類似の名前のブランドは、 「ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)」。
「ヴィヴィアン・ウエストウッド」は 70年代の英国を代表した、「パンクの女王」と称されるデザイナー。
2022年末に死去しています。
80年代には現在のブランドアイコンである「オーブ」を生み出したブランドです。
チェーンやピン、大胆な髪形などパンク(リバイバル)スタイルに多大な影響を与えました。
ミューミュー・・・ミュウミュウ(MIU MIU)
囚人に紛れた看守のミューミュー。彼女に近いブランド名はミュウミュウ(MIU MIU)。
「ミュウミュウ」の創業者はミウッチャ・プラダ。
ミュウミュウは「プラダ」の経営するブランドで、プラダと比べてやや可愛らしいコレクションが印象的。ブランド名は「ミウッチャ」の子どもの頃の愛称に由来。
ジョジョのミューミューも、本名はミウッチャ・ミューラー。
位置付け的には「プラダのセカンドライン」とも言えなくはないのですが、どちらかというとターゲット層が違うといった印象です。かつては、メンズラインもありました。
ウンガロ・・・エマニュエル・ウンガロ(Emanuel Ungaro)
「彼」の血を引くものの中で、ひとりだけ美形じゃないウンガロ。彼と同名の名を冠するブランドは、 「エマニュエル・ウンガロ(Emanuel Ungaro)」。
ブランドは1965年に創業。エミリオ・プッチ同様、「色彩の魔術師」「プリントの詩人」と呼ばれ、日本でもスカーフやハンカチといったライセンス商品が人気を博したブランドです。
日本ではかつてほどの知名度は無くなってしまいましたが、現在もフェラガモの傘下ブランドとして存続しています。
リキエル・・・ソニア・リキエル(SONIA RYKIEL)
「身体のケアは大事」と思わせてくれるリキエル。彼と同名のブランドは、「ソニア・リキエル(SONIA RYKIEL)」。
創業者ソニア・リキエルが、妊婦時に自分に合うセーターを作ったことが評判となり、1968年に創業しました。
設立後も中心となったのは、ニットにさまざまな装飾を施したコレクション。そのため、「ニットの女王」の異名をとりました。
2016年の逝去後、パリに「ソニア・リキエル通り」というストリートが誕生しています。
ファッション王国であるフランスにおいても、地名にファッションデザイナーの名前が付いたのは彼女が初めてであり、それだけの偉大な功績を残したデザイナーであることは間違いありません。
ドナテロ・ヴェルサス・・・ヴェルサス・ヴェルサーチェ(VERSACE VERSACE)
生まれ育った環境というものを考えさせられるキャラ、ドナテロ・ヴェルサス。彼の名前と同名のブランドは、「ヴェルサス・ヴェルサーチェ(VERSACE VERSACE)」。
「ヴェルサス・ヴェルサーチェ」は、ミラノを代表するブランド「ヴェルサーチェ」のセカンドライン。
ファーストライン同様、セクシーで華やか、そして大胆なコレクションが特徴です。
元々は、創業者のジャンニ・ヴェルサーチが、妹のドナテラ・ヴェルサーチに始めさせたラインです。
ジャンニ・ヴェルサーチが1997年に殺害された後、ファーストラインの「ヴェルサーチェ」は妹のドナテラに引き継がれ、セカンドラインの「ヴェルサス・ヴェルサーチェ」も継続されています。
終わりに|一応、大人の事情に配慮して念のために述べておくと・・・
今回は以上です。
ストーンオーシャンのキャラ名と近しいブランドは、全体的に華やかで装飾的なブランドが多い印象です。
ブランド名の大半は、創業デザイナーなど一般的な人名です。
「ルイヴィトン」も「シャネル」も「ディオール」も、元は皆、人名。そのため、日本でも商標登録されていない場合は使用可能です。
一方、商標登録されているブランドに関しては、若干の変更がなされていたりするなど、“大人の事情”もあるものと推察されます。
そのまま使用しているのと、ちょっと変えられているものの違いは、そこにあるのではないでしょうか。
「このキャラ、ブランドのイメージっぽいキャラクターだ!」と感じる場面は多くありません。
あくまで名前だけ由来させているという感じで、小ネタの一つとして押さえていただければ幸いです。
それでは、今回はこの辺で。
おしまい!
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