こんにちは、しょる(@SHOLLWORKS)です。本日はラグジュアリーブランドについてご紹介します。
「ラグジュアリー(luxury):贅沢な」という意味は分かっていても、「何がラグジュアリーブランドなのか」は、多くのファッション好きにとって気になる点ではないでしょうか。
ラグジュアリーブランドを身に付けたかったり、好きなブランドがラグジュアリーブランドであってほしかったり。単純に、興味本位で知りたいだけの方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、プロのファッションデザイナーの私が、ラグジュアリーブランドについてご紹介します。それも、ラグジュアリーブランド(と言ってくれる人もいる)のデザインチームで働いていたので、説得力はあると思います。
前半ではラグジュアリーブランドの定義を、後半では、特に有名なラグジュアリーブランドをご紹介させていただきます。
ラグジュアリーブランドの定義は、ハッキリと定まっていない上に価値基準の全てではありません。
あなたの好きなブランドがであってもなくても、ご自身のスタイルを大切にしてくださいね!
ラグジュアリーブランドとは?プロが定義や戦略を解説
ラグジュアリーブランドとは|歴史があり、価格が高く、イメージ力が高いブランド
ラグジュアリーブランドとは、
- 「歴史があり」
- 「価格が高く」
- 「高級ブランドであるという、イメージ力の高さ」
を兼ね備えているブランドのこと。
特に重要なものが、最後の「イメージ力」。ラグジュアリーといえる「権威性」や「クラス感」があり、あなたや社会全体に贅沢で優雅なイメージを与えているブランドこそ、ラグジュアリーブランドであると定義されるものです。
単純に価格の高い「高“額”品」と、イメージ力が高く、クラス(=級)感のある「高“級”品」では意味が異なります。
高額品も高級品もハイ(high)ブランドですが、ラグジュアリーブランドは高“級”品のみを指します。ここが、ハイブランドとラグジュアリーブランドとの決定的な違いと言える部分。
現在のブランド戦略は、どの時代にも増してマーケディング領域が強くなっています。「高級品であるというイメージ」を持たせることで、「このブランドの商品はあこがれる」「良いものだ」「良いはずだ」という印象を与えることがブランディングの意味でもあります。
ブランドビジネスは(多かれ少なかれ)、イメージ力によって成り立っていることは間違いありません。「イメージ力が高い」とは、憧れ→拡散→新たな憧れを獲得した上で、ファッションにあまり詳しくない人にとっても「その分野のトップ」と認知される必要があります。
もちろん「どのブランドが良いか」は、各々の嗜好や価値観次第。ラグジュアリーブランドは多くの方にとって良いイメージがあるものの、必ずしもあなたにとって良いとは限りません。逆に、「価格が高いけれども知名度が低い」からといって、ダメなブランドというわけでもありません。
品質は?➡兼ね備えているラグジュアリーブランドは多いが・・・
「ラグジュアリーブランドの条件として、絶対的品質を持つ」と説明するところもあります。しかし、これは場合によっては間違いです。
そもそも、「品質が高い」とは、あいまいな言葉。どこからが“高い”かは、その人に依るので「そこそこの生産数を確保している時点で品質が高くない」場合もあるのですね。
下記で挙げているラグジュアリーブランドの場合、品質も高い場合が多いです。とはいえ、ジャンルによっては下記で挙げたブランドよりも「モノとして素晴らしいもの」は存在することも事実です。
(それがあまり知られていないブランドだったりするからこそ、ファッションは面白いのですけれども!)
オートクチュールという権威の有無
ブランドが「メゾン」である場合、オートクチュール(注文服)部門の有無も、ラグジュアリーブランドの権威性として関係があります。なぜなら、ブランドの“格”には歴史も重要視され、クチュールこそが権威だからです。
今でこそ、「服の高級ブランド=プレタポルテ(高級既製服)」を思い浮かべる人がほとんどですよね。しかし、私たちが普段目にするプレタポルテ(既製服)は元々、「中流〜アッパー層向けの量産服」という側面が強いものです(した)。
「プレタポルテ」は元々、ヴェイユというブランドが、大衆向けの服と差別化を図ったことが切欠で誕生しました。英語の“Ready-to-wear(“着る準備ができているもの”、つまり既製服)”をフランス語化したPrêt-à-porter(プレタポルテ)が用いられ、今日のポジションを確立しました。
当初は、パリの「イヴ・サンローラン」や「クレージュ」といったラグジュアリーブランドがクチュールの傍らにプレタポルテを展開し、いわばセカンドラインに近いような格好でブランディングしました。やがて、70年代からは「ケンゾー」や「ソニア・リキエル」などの“プレタブランド”が、モードの中心となりました。
プレタポルテの普及は、ヨーロッパやアメリカ、日本といった“西側諸国”全体が豊かになったことで、大衆向け(アッパー層向け)にもビジネスが成立するようになったことが理由。また、「大衆向け」ということは、量産して同じものを用いて憧れを連鎖させることで、ブランドビジネスを巨大化させる必要性がありました。そして、量産服が主役になることは、同時にクチュールが主役の座から降ろされることも意味していました。
同時に、「量産されたデザインがビジネス化できる」ことが証明されたというのも大きいでしょう。上記写真は、誰しも見たことがある、アンディ・ウォーホルの「The shot marilynes(狙撃されたマリリン)」。解釈が求められるアートとは異なり、「表面をみることが全て」というウォーホルの作品は、前衛的ながら商業的、そしてアイコニックでした。
アンディ・ウォーホルが、芸術の“一点物”とは別次元のデザインそのものに価値を見出した世界。それは、ファッションブランドにおいても商業性と量産性の重要性をもたらしました。「そのブランドの製品であれば量産品でも売れる。むしろ、だからこそ売れる」世界の到来です。
つまり、現在のラグジュアリーブランドにとって、オートクチュールは「必ずしもなくてはならない」というものではありません。しかし、いくつかのメゾンは(採算性を度外視して)オートクチュール部門を保持し、ブランドのアイデンティティを紡ぐことによって「権威性」を保っています。
ラフ・シモンズが、ディオールのアーティスティックディレクターに就任した際のドキュメンタリー映画「ディオールと私」では、クチュールの製作模様がありありと描かれています。一方、サンローランでは2002年、創業者であるイヴ・サン・ローランがデザイナーを引退したことを切欠に、オートクチュール部門を閉鎖しました。
ブランドによって、処遇が異なるのもオートクチュールです。また、ラグジュアリーブランドの中にも服を中心とするのか、バッグなど革小物を中心とするのかによって、オートクチュールの有無が“ラグジュアリーさ”に与える影響力も異なります。
つまり、ラグジュアリーブランドとは「憧れられる欲求の総量が大きなブランド」
つまり、ラグジュアリー(luxury=贅沢)ブランドとは、価格だけでなくイメージと格、そしてマーケティング戦略まで含め“先端を走る”ブランドのこと。
ハイブランドとの決定的な違いとして、ラグジュアリーブランドは「至高であること」が必須条件。歴史の深さや明確なストーリーを持ち併せることも重要だからこそ、ラグジュアリーブランドのほとんどがヨーロッパのブランドです。
そして、ファッション好きの中でも国籍や年代、性別によっても「どこからどこまでがラグジュアリーブランドか」は分かれます。国・地域によって一定の認知度がないブランドを、ラグジュアリーブランドとは言えません。
裏を返せば、「誰にとっても」「世界中で」「いつの時代も」求められる(=欲求の大きい)トップクラスのブランドであるものは、文句の付けようがなくラグジュアリーブランドということ。
下限の線引きこそ難しいものの、「ラグジュアリーブランドであること」において、上限は非常に分かりやすいもの。だからこそ、「これはラグジュアリーブランドだ」というものを次項で挙げてみようと思います。
ラグジュアリーブランドの人気&有名ブランドをご紹介
というわけで、ここでは私がラグジュアリーブランドだと思うブランドをご紹介させていただきます。
「どこからどこまでがラグジュアリーブランドですよ」という答えは存在しません。しかし、世間の知名度、歴史、イメージ力の高さを兼ね備えた“トップブランドたち”を、紹介してみようと思います。
エルメス(HERMES)
出典:https://www.hermes.com/jp/ja/
エルメス(HERMES)は、ファッションブランドの中で最高位のラグジュアリーブランド。1837年に馬具工房としてオープンしたエルメスは、欧州の王侯貴族に愛され、19世紀、20世紀、そして21世紀においても憧れのトップブランドです。
服はプレタポルテが(ほぼ)全てになるものの、オーダーメイドの馬具製作も請け負っています。200年近く続くブランドの系譜を感じさせながら、革の供給体制から商品の価格、ブランドの付加価値も「完璧」なブランド。
また、エルメスは「バーキン」「ケリーバッグ」や「カレ」など、ブランドのアイデンティティとなる商品を時代ごとに生み出してきました。歴史を蓄積させながら変革を続けることで、進化し続ける価値を提供しています。
ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)
ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)は、ラグジュアリーブランド界でもトップの認知度を誇る「ブランドの王者」。年間売上高11兆円を超えるLVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)の中核ブランドにして、ルイ・ヴィトン単体でも年間の売上高2兆円を超えるという“化物ブランド”です。
1854年にパリで創業したルイ・ヴィトンは、世界初の旅行鞄専門店としてスタートしました。「木製の鞄の上に工夫を凝らしたキャンバスを貼る」という方法で当時からパリで評判を呼び、スペイン王室に寵愛されるなど権威を獲得しました。
ルイ・ヴィトンが手掛ける完全防水仕様のトランクは、「水に浮く」ことで大きな評判を呼んだそうです。1889年の万国博覧会では金賞を受賞するなど数々の栄誉を得た上で、20世紀のブランドビジネス拡大を経て現在のステータスを獲得しました。
また、ルイヴィトンは世界で「最もコピーされたブランド」と言って間違いないでしょう。創業時からコピー品が出回り、「ダミエ」や「モノグラム」の発明は革新でもあり、コピー品との競争でもありました。
ちなみに、現在もルイ・ヴィトンを代表する「モノグラム」は1896年に発表。奇しくも万国博覧会で目にした日本の家紋に着想を得て誕生したというのは有名な話だと思います。
板垣退助が明治時代初期に欧州へ視察に赴いた際、ルイ・ヴィトンを購入したことでも知られます(現在も残っており、日本人が購入したルイ・ヴィトンとしては最古の現存物だそうです)。
ルイ・ヴィトンの中で日本人が購入した最古の現存品は1883年に板垣退助が購入したもの。 pic.twitter.com/hE6PJrMiY2
— しょる | ファッションのプロ (@SHOLLWORKS) February 23, 2023
シャネル(CHANEL)
1910年創業のシャネル(CHANEL)は、ココ・シャネルによって立ち上げられたメゾン。エルメスがレザーを中心とした技術や権威として最高のファッションブランドなら、「モード」として最高のラグジュアリーブランドはシャネルでしょう。
シャネルは、主に戦間期(第一次世界大戦と第二次世界大戦の間)に活躍したデザイナー。ジャージー生地のファッション化に成功し、彼女の莫大な資産となった香水「No.5」はあまりにも有名です。
ただし、シャネルに関しては「アンチ」も多いブランドです。第二次世界大戦時、シャネルがナチスドイツに協力的であった(とされる)ことが問題となり、本人は戦後、スイスへ亡命しました。ファッションの世界へカムバックした際にはバッシングもありましたが、1971年に死去するまでデザイナーであることを貫きました。
クリスチャン・ディオール(CHRISTIAN DIOR)
パリで「特別なポジション」のブランドは、クリスチャン・ディオールです。オートクチュール、プレタポルテ、バッグ、香水と、あらゆる分野でアイコニックな商品を展開するディオールは、高価な価格以上の評価を受けた特別なブランド。
ディオールは1947年、クリスチャン・ディオールによって設立されたメゾン。「ニュールック」と絶賛された「コロールライン」をはじめ、「バーティカルライン」「Yライン」「アローライン」など、女性のエレガンスを体現するさまざまルックを発表しました。また、創世記に誕生したフレグランス「ミス・ディオール」は、現在も人気の香水として70年以上の歴史を誇ります。
クリスチャン・ディオールは1957年、突然の死を迎えます。そして、若干21歳にして、ディオールのメゾンを引き継いだのがイヴ・サンローラン。後に経営陣と袂を分かち、本人の名を冠するメゾンを立ち上げることになりました。
ちなみに、日本で初めてショーを行ったラグジュアリーブランドもクリスチャン・ディオールです。
グッチ(GUCCI)
GUCCI 公式HPより引用
グッチ(GUCCI)は1922年、イタリア・フィレンツェで誕生したイタリア発で最も有名なラグジュアリーブランド。先述のブランドたちがフランスを代表するならば、グッチはイタリア代表といっても良いでしょう。
創業者のグッチオ・グッチは元々、英国貴族に強い影響を受けた上流階級を彷彿とさせる皮革製品を発表していました。やがて、グッチは1930年代には製品にGGのロゴを入れる「シグネチャー」を発表。また、初めてブランドネームを製品に入れたことで「ブランドの元祖」とも呼ばれました。
ちなみに、映画「ハウス・オブ・グッチ」でも描かれたお家騒動の前後にグッチは低迷しますが、トム・フォードをはじめとするデザイナーたちによって90年代には見事にリバイバル。個人的に、グッチはショップ作りが非常に上手いと思います。なんだかんだ好き。
プラダ(PRADA)
PRADA 公式HPより引用
プラダ(PRADA)は1913年、イタリアのミラノにてマリオ&マルティーノのプラダ兄弟によって創業したブランド。高いファッション性とナイロン素材による革新性に貢献する、イタリアを代表するラグジュアリーブランドのひとつです。
プラダのお家芸は、何と言ってもナイロンのバッグ。これは、三代目オーナーであり、現在もプラダを率いるミウッチャ・プラダが祖父マリオの使用していたナイロン製のポコノ(POCONO)に注目したことが切欠。
1980年代前後にはポコノを使用した黒のバッグを発表したことで、それまで高級品=皮革製品が当たり前の価値観であったブランドバッグに新しさをもたらしました。
ポコノとは、パラシュートやテントなどに使用されるナイロンでできた工業用素材生地。細かい生地目ながら耐久性や撥水性に優れ、光沢感があることからラグジュアリー素材として注目したのですね。
MIU MIU 公式HPより引用
また、プラダは(現在は少数ブランドながら)グループ企業でもあります。同じく高級ブランドであるミュウミュウ(MIU MIU)は、三代目ミウッチャ・プラダの愛称にちなんだブランド名。
また、英国を代表する高級紳士靴ブランドのチャーチ(Church’s)もプラダの傘下ブランドです。その他、1990年代の末にはジルサンダーやヘルムートラングといった“時代の寵児”もグループブランドに引き入れていたものの、現在はどちらも手放しています。
イヴ・サンローラン(YSL)
イヴ・サンローラン(YSL)もまた、パリを代表するラグジュアリーブランド。特に、シャネルと同じくデザイナーとしての功績を高く評価され、かつてはクチュールの中心でもあったブランドです。
先述の通り、急逝したクリスチャン・ディオールのメゾンを21歳で引き継ぎ、1961年に長年のパートナーとなったピエール・ベルジェと共に独立。その後は「モンドリアンドレス」を始め、「マスキュリンスタイル」や「スモーキング」といった数々のルックを発表しました。
現在は、グッチをはじめとするケリング傘下で既製服を販売する「サンローラン・パリ」というブランド名に変更され、イヴが引退してからはオートクチュール部門も閉鎖されました。ビューティ事業(ロレアルが保有)は「イヴ・サンローラン・ボーテ」と、ブランド名が分かれていることも特徴。
ロレックス(ROLEX)
ROLEX 公式HPより引用
ロレックス(ROLEX)は、1905年にスイスで創業した腕時計メーカー。歴史に関してはあえてクローズドとされている部分が多いものの、高級時計ブランドの中で最も有名なラグジュアリーブランドではないでしょうか。
ロレックスの場合、パテック・フィリップのように腕時計界に大きな発明を残したというよりは、企業買収や他社の技術を発展・導入させることによって知名度を上げたことが特徴。また、F1やル・マン24時間耐久レース、テニスの全英(ウィンブルドン)など、特に欧州スポーツのスポンサーとして広告・宣伝にも熱心なブランド。
いずれにせよ、世界で最も高級腕時計への“あこがれ”を生み続けています。デイトナやGMTマスターといったモデルはあまりに有名で、ブランド名を抜きにしても通じる知名度があります。
パテックフィリップ(PATEK PHILIPPE)
パテックフィリップ(PATEK PHILIPPE)は1839年、スイス・ジュネーヴにて創業した高級腕時計ブランド。オーデマ・ピゲ、 ヴァシュロン・コンスタンタンと共に、「世界三大腕時計ブランド」として有名です。
パテックフィリップは腕時計ブランドの中で、最上級のラグジュアリーブランド。19世紀に「鍵なし竜頭巻上げ・時刻合わせ機構」が万国博覧会で受賞し、英・ヴィクトリア女王の目に留まることで王侯貴族御用達ブランドとなりました。
また、懐中時計の「永久カレンダー機構」や「ダブル・クロノグラフ機構」、「タイムゾーン表示機構の技術特許」などを取得するなど、今日、腕時計の多くに実装されているものの多くを発明しました。
ティファニー(Tiffany & Co.)
ティファニー(Tiffany & Co.)は1837年、ニューヨークで創業したジュエリーブランド。女性へのあこがれを生み出してきたジュエリーブランドとして、No.1のイメージ力を誇ります。
創業当初は文具などを扱っていましたが、ヨーロッパの貴族から買い付けた宝飾品を基に事業を大きく伸長させたことから、アメリカを代表する宝飾品ブランドとしての地位を確立しました。
ティファニーを語る上では、カンパニーカラーも欠かせません。「ティファニーブルー」と呼ばれるブランドカラーは19世紀に流行したターコイズになぞらえ、高潔さの象徴でもあります。
また、ティファニーの取り扱うジュエリーは、価格レンジが非常に広いことも特徴。シルバーアクセサリーは数万円で購入できる一方、数千万円のジュエリーまで存在します。あらゆる世代や購買力の顧客に向けて「頑張れば買える」を提供することで今日の知名度を実現しています。
ちなみに、オードリー・ヘップバーンが映画の主演を務めたことでも有名な「ティファニーで朝食を」は、ニューヨーク5番街にあるティファニー本店前が舞台となっています。
主人公ホリーが憧れる「ティファニーで朝食を食べられるご身分」を、まさにアメリカのラグジュアリーブランドを代表する存在としてなぞらえています。
カルティエ(Cartier)
Cartier 公式HPより引用
カルティエ(Cartier)は1847年、パリで創業したブランド。ティファニーと同じく宝飾品全般を取り扱うブランドとして、トップのラグジュアリーブランドです。
カルティエは、古くはヨーロッパの王侯貴族に寵愛され、英国王エドワード7世に「王の宝石商、宝石商の王」と言わしめたブランド。さらに革小物や腕時計、フレグランスとブランドの商品は多岐に渡ります。
また、商品だけでなくアートや社会的な活動にも熱心なことも特徴。まさしく、フランスらしいブランドであり、美を求める人へ総合的なあこがれを提供し続けているブランドのひとつです。
Cartier 公式HPより引用
現在のカルティエを代表するシリーズとしては、なんと言っても通常のイエローゴールドに加え、ピンクゴールド&ホワイトゴールドをあしらった「トリニティ」が挙げられます。
また、文字盤が四角い腕時計「タンク」は、第二次世界大戦のパリ解放をモチーフに戦車(タンク)の形に由来したものも非常に有名。メンズ・レディース問わず高級腕時計としても愛用者が多いシリーズ。
デビアス(DE BEERS)
DE BEERS 公式HPより引用
デビアス(DE BEERS)は、1880年に創業した「ダイアモンドの支配者」とも言えるラグジュアリーブランド。「A Diamond is Forever(ダイアモンドは永遠の輝き)」という、誰もが聞いたことのあるスローガンを発明し、20世紀に最も成功したとも言われるマーケティングを展開しました。
デビアスは「結婚」と「ダイアモンド」を深く結び付けた張本人的なブランド。また、コマーシャルにセレブリティを起用し、これほどまでに「あこがれ」と「ラグジュアリー」を作り出したブランドはないと言っても良いかもしれません。
設立者はセシル・ローズ。「アフリカのナポレオン」として歴史の教科書にも登場する、植民地時代を代表する人物です。また、ブランド名はデ=ビア兄弟という白人入植者が所有していた農場名に由来するそう。
デビアスこそが「ダイアモンド=高価なもの」という図式自体を維持しているといっても過言ではありません。ダイアモンドは実際、莫大な埋蔵量があると言われていますが、南アフリカの採掘から流通、マーケティングに至るまで多くを支配し管理することで価格を維持しています。
一方、近年はダイアモンド市場に大きな変化が生まれました。デビアスの支配下にないダイアモンド鉱山が他地域で発見されたり、中国の人工ダイアモンド技術が向上するなど、今後は支配構造に変化が生まれるのかもしれません。
ハリー・ウィンストン(HARRY WINSTON)
ハリー・ウィンストン(HARRY WINSTON)は、「キング・オブ・ダイヤモンド」と位置付けられる最高級のジュエリーブランド。先述のデビアスが「ダイアモンドマーケット」を支配するなら、ハリー・ウィンストンは「ダイアモンドジュエリー」ブランドとして最高峰といえます。
ハリー・ウィンストンは1932年にニューヨークで創業して以来、多くのハリウッドスターが身につけたことで、「スターのたちのジュエラー」と呼ばれているラグジュアリーブランド。
特に有名なのは婚約指輪で、圧倒的な「格」を誇ります。ハリー・ウィンストン指輪に載せられるダイヤモンドは4Cのひとつ、“COLORLESS”の項目において、D(最高ランク)、E、Fグレードのみという徹底ぶであることも特徴。
ダイヤモンドの“COLORLESS”は、D(最高ランク)~Zまであります。Dに近いほど光がスムーズに透過し、虹色に輝きやすいという特性があります。
ジョンロブ(JOHN LOBB)
JOHN LOBB 公式HPより引用
ジョンロブ(JOHN LOBB)は、最高峰のブランド力を持つ「キング・オブ・シューズ」と呼ばれるラグジュアリーブランド。1866年、ロンドンのビスポークメーカーとして創業し、現在は経営が分かれ既成靴も広く展開しているブランドです。
1976年、展開していたロンドン本店以外の全ての店舗がエルメスの傘下になると、“エルメス傘下となった方のジョンロブ”はイメージ力によるラグジュアリー路線を歩みます。
ジョン・ロブの靴は、エレガントで洗練された高級感溢れる点が特徴。「フィリップⅡ」や「シティⅡ」などといったモデルが有名で、毎年秋に発表される毎年秋に発表される「イヤーモデル」の意匠性も見逃せません。
終わりに|ラグジュアリーブランドは価値観によって異なる
ファッション業界には「ラグジュアリー・コングロマリット」が形成されている
コングロマリットとは一般的に、企業が吸収合併を繰り返して出来上がった巨大グループ企業のこと。ファッション界も1990年代頃からコングロマリット化が進み、いくつかの世界的企業が誕生しました。
厳密には、同業種の企業同士によるグループを「コングロマリット」とは定義しません。しかし、ファッション業界の場合はグループ内でノウハウや人事を共有&連動させることで、経営の進化や効率化を図ってきました。
主なラグジュアリーコングロマリットに関しては、
- LVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー):ルイヴィトン、クリスチャンディオール、ジバンシィ、セリーヌ、ロエベ、ケンゾー、ベルルッティ、ティファニー、ロロピアーナ、ピナレロなど
- リシュモン:カルティエ、クロエ、ダンヒル、モンブラン、ピアジェ、ランゲ&ゾーネ、ヴァシュロン・コンスタンタン、ヴァンクリーフ&アーペル、ジャガー・ルクルトなど
- ケリング(旧グッチグループ):グッチ、バレンシアガ、YSL、ボッテガヴェネタ、ブリオーニ、ブシュロン、リチャード・ジノリなど
の3つが挙げられます。その他にもPVH(カルバンクライン、トミーヒルフィガー)やエルメス、プラダグループ、OTB(ディーゼル、マルジェラ、ジルサンダー、マルニなど)なども、巨大なグループとして有名です。
「ラグジュアリーさ」とは、議論の余地の有無ともいえる
今回は、「ラグジュアリーブランドとは」というテーマで、定義や特徴、実際にラグジュアリーブランドとされるものを紹介しました。
しかし、ファッションが好きな人の中では、「いやいや、プラダってナイロンのペラペラじゃん!」「え、ロレックス?世界3大どころか5大にも入っていないじゃん!」などと思う人もいるはずです。
その他「歴史は浅いけれどトムフォードを入れろ!」とか、「マルジェラのモード界における革新性は評価しないのか!」「宝飾品はラザールダイアモンドこそ最高だよね」といった意見もあるかもしれません。
つまり、「ブランドの格」とは、「議論の余地に対する有無」でもあります。
そういった議論の余地やマイナスイメージがあればあるほど、「ラグジュアリーブランドの上限」から少しずつ離れていくことは事実です。
「どこまでをラグジュアリーブランドと認識すべきか」は、個人の価値観にも拠ります。絶対中の絶対は存在しないからこそ、あいまいな概念でもあります。
そして、「ラグジュアリーブランドでなければダメだ!ラグジュアリーブランドを買え!」と言いたいわけでもありません。ラグジュアリーブランドが「どこからどこまで」と定義したから好きになる、というのも違いますよね。
結局は、自分が欲しいモノ、直感のチョイスで良いのではないでしょうか。あくまで、「世間ではこんな感じなんだ」と思っていただければと思います。あなたの最高のブランドは、あなた自身が探して決めてくださいね!
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