良いと思う点
良くないと思う点
こんにちは、しょる(@SHOLLWORKS)です。本日は「早稲田屋シャツ」という日本のシャツブランドについてご紹介させていただきます。
早稲田屋シャツは1903年(明治36年)創業、大阪発のシャツメーカー。元々はローカルでオーダーシャツを手掛けていた企業でした。しかし、現在は伊藤忠商事が倒産した親会社から早稲田屋シャツを引き取り、ベトナムを中心に展開しています。
その上、現在は日本でも「早稲田屋シャツ」をAmazonにて購入可能。見た目の「良いスーツ」にも合う、しっかりした襟や細かな上襟のステッチなど、4,000円未満のシャツとしては非常に優秀です。
この記事では、プロのデザイナーである私しょるが「早稲田屋シャツ」とはについて触れた後に、実際に購入レビュー&ユニクロ「スーパーノンアイロンシャツ」との比較についても言及します。
早稲田屋シャツは、「そこそこ良いスーツを着たいけれど、消耗品に近いシャツにはお金をかけたくない」という人。あるいは、「安いけれど、一枚で着ても恥ずかしくないシャツが欲しい」方へピッタリです。ぜひ、最後までご覧ください。
早稲田屋シャツとは?歴史&シャツの特徴を解説
それではまず「早稲田屋シャツ」とはについてご紹介させていただきます。
1903年創業、大阪発の伊藤忠商事傘下シャツメーカー
Amazonより引用
早稲田屋シャツは1903年(明治36年)創業の老舗シャツブランド。元々は大阪でオーダーシャツを手掛けるシャツの“仕立て屋さん”でした。
ちなみに、ブランド名の由来は創業者が早稲田大学出身であることに由来するそう。ブランドタグにも大隈講堂が描かれています。大阪のシャツメーカーなのに“早稲田”というのは、不思議な感覚がありますよね。早稲田大学の学生や卒業生でも、多くが知らないメーカーだと思います。
それもそのはず。現在の早稲田屋シャツは、後述を理由に日本で店舗は持っておりません。ベトナムで展開されている、知る人ぞ知るブランドとなっています。
ベトナム中心にハイクオリティなシャツを展開
早稲田屋シャツは2009年、親会社の経営破綻によりブランドそのものが一時的に市場から消えていました。
そんなブランドに目を付けたのが、大手総合商社の伊藤忠商事。繊維原料・テキスタイル部門を祖業とする伊藤忠商事は、早稲田屋シャツをベトナムに展開する既成シャツブランドとしてリブートしました。
日本のシャツメーカーの中でもかなりの老舗ではあるものの、ローカルな存在だった×リブートで海外向けのブランドとなったことで知名度は限られるかもしれません。しかし、価格に対する作り込みに関しては、非常に優れています。
「オーダーを生業とするシャツメーカーが、廉価な既成シャツブランドとなった」と聞くと、がっかりするような響きに聞こえるかもしれません。
しかし、早稲田屋シャツは価格に対してかなり良い既成シャツを手掛けるブランドであることは間違いありません。現在ではハノイやホーチミンといった都市部を中心に店舗を構え、ホーチミンの高島屋などで販売されています。
そして、日本でもAmazonにて購入可能。シルエットも細すぎず太すぎず中庸的。「ネックサイズ」と「裄丈」さえ把握している方であれば、サイズミスの心配も少ないと思います。
ベトナム製→ノンアイロンシャツ、日本製→形態安定シャツ
Amazonより引用
また「早稲田屋シャツ」は、よりリーズナブルなベトナム製と、比較的高級な日本製に分かれます。
ベトナム製
・1枚4,000円弱
・ノンアイロンシャツ(シワがかなり付きにくい)
・生地は普通、縫製は丁寧
日本製
・1枚6,000円弱
・形態安定シャツ(若干シワが付きにくい)
・生地は良質、縫製はより丁寧
といった違いがあります。
個人的には「早稲田屋シャツ」を買うならベトナム製がオススメ。
6,000円台×国産となると、鎌倉シャツやアザブ・ザ・カスタムシャツなどの競合があります。しかし、4,000円台×ノンアイロンシャツでここまでのシャツは私も確認していません。
早稲田屋シャツの実物レビュー【ユニクロと比較】
実際に「早稲田屋シャツ」をAmazonで購入してみました。多少の価格変動はありますが、価格は1枚3,993円。ユニクロ「スーパーノンアイロンシャツ(3,990円)」とほぼ同額です。
畳まれたシャツに巻かれている紙テープなどは「価格相応感」があるものの、実際のシャツはとても「安物」とは思えない出来映えでした。5,000円未満のシャツなら、私が知る限り最もオススメできるシャツのひとつです。
特に上襟のステッチや雰囲気の差は大きい
「早稲田屋シャツ」と競合になるのは、同価格帯の中でも非常に愛用者が多いユニクロ「スーパーノンアイロンシャツ」だと思います。入手性が高く、ノンアイロンシャツとして代表的なシャツではないでしょうか。
正直、総合的には早稲田屋シャツの方が優れていると感じます。生地そのものや耐シワ性はユニクロの方が優れていると思いますが、“高いシャツの見え方”の点において早稲田屋シャツの方が一歩も二歩もリードしています。
特に、
- 上襟のステッチの細かさ
- 上襟の据わり方、描く曲線
- 台襟の立ち具合
などに、大きな差があります。
特に、上襟のステッチは顔に近い&シャツの高級感をパッと見で判断されやすい部分。
また、台襟もユニクロのシャツは寝てしまうのに対し、早稲田屋シャツはキチンと立ち上がり上襟の据わり方も自然なカーブを描きます。ここは、ネクタイを締めた際の美しさに直結する箇所。
実際、私が良いスーツと合わせたり、夏にどちらのシャツで一枚になれるかと問われたら、迷わず早稲田屋シャツを選びます。そのくらい良く考えられたメーカーです。
ストライプが合う・円錐カフスなど、細かな配慮がすごい
早稲田屋シャツはシャツの基本であるストライプの柄合わせにも忠実。写真の襟部分も、上襟のストライプから、身頃に掛けて赤線のようにキチンと繋がるよう、生地が裁断・縫製されています。
また、早稲田屋シャツには「円錐カフス」が採用されています。人間の腕は二の腕から手首に向かって細くなりますが、カフスが円柱型をしていると動いた際に見た目が悪くなります。
動いてカフス先が手首で止まってくれずに掌まで来たりすると、邪魔な上にスーツとの長さのバランスも悪いですよね。
そこで、シャツの袖先は円“錐”型にすぼんでいることが理想です。しかし、カフスがコーン型になることで袖のパーツ(直線)とカフス(曲線)を縫い合わせる必要があるので、ユニクロなどの価格のシャツでは基本的に採用できません。
フライやルイジボレッリといったカミチェリアであれば珍しくはないのですが、デザイナーズブランドではほぼ見られない仕様です。ましてや、4,000円しないシャツに円錐カフスを採用するメーカーなど聞いたことがありません。
洗濯後のシワは、ユニクロの方が優秀
一方、ユニクロ「スーパーノンアイロンシャツ」の方が優秀な点と言えば、洗濯後の耐シワ性だと思います。
一般的なノンアイロンシャツと比べても、ユニクロのスーパーノンアイロンシャツはガチガチに樹脂加工を施してあるため、シワが生まれにくい構造になっています(その分“ちゃんとしたシャツ”の風合いは損なわれています)。
とはいえ、早稲田屋シャツもノンアイロンシャツ故にほぼアイロンが必要ないくらいにはシワは付きにくいです(ただし、早稲田屋シャツの中でも、日本製のものは高級感優先でノンアイロンシャツではありません)。
早稲田屋シャツのサイズ感は?購入場所は?
初心者は特に、下記のサイズ感を参考にしてください
Amazonより引用
上記写真にあったそもそもサイズ表の見方や、選び方がよく分からないという方も多いのではないでしょうか。紳士服の、しかも既製品のビジネスシャツに限ったサイズ表記方法なので、新社会人やこれまでスーツに縁がなかった方にとっては見慣れませんよね。
そこで、以下に簡単に解説させていただきました。
まず、横軸の37/39/41/43・・・というのが、首周りのサイズを表しています。個体差も大きいのですが、人間は身長が高くなればなるほど、また体つきがガッシリ(ぽっちゃり)すればするほど首周りは太くなる傾向にあります。
つまり、基本的には、
- 37・・・Sサイズ
- 39・・・Mサイズ
- 41・・・Lサイズ
- 43・・・XLサイズ
と思っていただいてOKです(メーカーによっては38や40といった偶数の数字もあります)。ただし、こちらは身長だけでなく、肉の付き方に左右されやすいことが特徴。
例えば、180cmでもひょろひょろな方であれば39くらいが適当。また、165cmくらいの方でも、ぽっちゃりしているなら43サイズくらいが良いかもしれません。
また、縦軸の展開サイズ欄にある数値は、首の真後ろ~肩先~袖先までの長さ。こちらも、
- 80cm・・・短め(身長目安:~165cm)
- 82cm・・・標準よりやや短め(身長目安:163~172cm)
- 84cm・・・標準よりやや長め(身長目安:170~180cm)
- 86cm・・・長め(身長目安:178~185cm)
です。特にこちらは、基本的には身長に比例してサイズを選ぶと良いと思います。
もちろん、肩幅や腕の長さ、肉付き感で多少は変わりますが、例えば、
- 身長170cm&がっちり体型・・・「41-82」サイズ
- 身長172cm&標準体型・・・「39-84」サイズ
- 身長180cm&標準体型・・・「41-86」サイズ
など。ぜひ、皆さまのサイズ選びの参考にしてください。
店舗や通販は?→Amazonで購入可能
早稲田屋シャツは、日本国内で販売店などはありません。逆輸入ブランドということもあり、Amazonで購入可能です。
先述の通り、実店舗はハノイやホーチミンなどベトナムの都市部に展開されています。流石に私も行ったことはないのですが、旅行や仕事で訪れた際に行ってみたいと思っています。
終わりに|早稲田屋シャツは、リーズナブル×高級感を追求したい人にベスト
今回は以上です。
早稲田屋シャツは、個人的には4,000円未満のシャツの中ではベストバイだと思います。
見た目の「格」は10点中6.5点くらい。生地感的に物凄く高級とは思えませんが、全然悪いシャツにも思われないといった立ち位置です。
もちろん、イタリアの最上級のカミチェリアや、こちらで紹介しているレスレストンなどとは比べられません。
しかし、少なくとも、クールビズ期間でも一枚で着て恥ずかしくない、素晴らしいシャツであることは間違いありません。
ぜひ「最高の庶民派シャツ」を体感してみてください!
おしまい!
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