- 参考価格
- 12,100円(Tシャツ・スビンギザコットン)
➡特徴&こんな人にピッタリ
・高級Tシャツを代表する、歴史ある英国のファクトリーブランド
・最高級の綿素材×耐久性もあるカットソー類
・デザイナーズハイブランドのような“ピチピチ感”は苦手という人にも
こんにちは、しょる(@SHOLLWORKS)です。本日はサンスペル(SUNSPEL)という、英国の高級Tシャツブランドについて。
サンスペルは1860年創業、英国を代表する日常着ブランド。160年以上の歴史とファッションへの大きな貢献度を誇る、インナーまで手を抜かない人のためのブランドです。
特に、最高級の綿素材を用いたTシャツは有名です。春夏の薄手の1枚や、ワンマイルウェアを勝負着にできるラインナップを揃えています。
「無地Tシャツ」はスーツや革靴などと比べ、パッと見の価格差は感じられにくい服に違いありません。間近で見て触れば分かる人には分かっても、他人に気付かれるような差ではないかもしれません。
しかし、たった薄手の布一枚ですら、「高級品」は気分を上げてくれる。着心地が良いだけでなく、その日、その時を大切に過ごす気分の「質」まで提供してくれます。
今回はプロのデザイナーである私が、サンスペルの歴史やラインナップなどをご紹介。さらに、実際に新たに購入したレビューや、購入可能なストアについてもお話します。
いわゆる有名デザイナーズブランドの無地Tシャツよりクオリティが高く、歴史と権威もあるサンスペル。
素敵なブランドなので、ぜひ最後までお読みください。
サンスペルとは|歴史と特徴、強みを紹介
1860年誕生、160年以上の歴史を持つメーカー
サンスペル(SUNSPEL)は1860年、トーマス・ヒルという人物が、英国ノッティンガムに設立した工場に端を発します。
創業者の名を冠したThomas A.Hill Ltd.工場は、創業時から高品質なストッキングやソックス、アンダーウェアなどに定評がありました。
特に、カリブ海で獲れる「シーアイランドコットン」を用いたTシャツは、亜熱帯や熱帯気候の地域で広く受け入れられました。1935年には「サンスペル」にブランド名を改称。2年後には同名の屋号となり、今に至ります。
サンスペルのTシャツは、英国だけでなくアジアなどさまざまな地域で着用され、それまでの「Tシャツ=下着」という価値観から「ファッションアイテム」へと変わっていきました。
「ファッションで無地Tシャツを着る」という価値観自体、サンスペルの貢献が大きかったと言われています。
世界最高級のコットンを使用したラインナップ
さらに、サンスペルはスーピマコットンやシーアイランドコットンといった、世界最高品クラスのブランド綿を使用していることが特徴。
それぞれの商品ごとに“どんな綿を使用しているか”を明示している点も、サンスペルのコットンに対する矜持と自信の表れです。
スーピマコットン
スーピマコットンは、アメリカの南西部にて栽培・収穫されるブランド綿。
超長綿の中で最も安定的な供給が得られる綿のひとつで、ユニクロやブルックスブラザーズといったブランドでも積極的に採用されています。
サンスペルでは、ベーシックなTシャツやポロシャツなど、日常使いにピッタリの商品に採用されています。スーピマコットンは他の超長綿と比べ、繊維一本あたりの強度に優れます。しかし、繊維単位の太さが太く、天然の撚り&光沢感は控えめです。
スビンギザコットン
スビンギザコットンは、インド南部で栽培されている超長綿の「スビンコットン」と、エジプトのナイル川にあるデルタ地帯で栽培される「ギザ(GIZA)」コットンを混ぜ合わせた生地。
スビンコットンは、インド綿の“スジャータ”とシーアイランドコットンの“ビンセント”を交配させることで誕生しました。
シーアイランドコットンに迫る繊維の細さ&自然な撚りによって、しなやかで柔らかな上質感が得られることが特徴。初摘み(ファーストピック)に関しては、年間数十トン程度しか収穫されないほどの超貴重なブランド綿です。
ギザ(GIZA)は、反射率や強度、発色性に優れたエジプトの超長綿種。
こちらは近年、収穫量が不安定ですが、高級感と耐久性のバランスが良好。高級ブランド綿を代表する存在です。
サンスペルでは超貴重×超貴重な素材同士を、惜しみなく使用しています。
シーアイランドコットン
SUNSPEL 公式HPより引用
カリブ海産の「シーアイランドコットン」は、サンスペルにとって特別な綿素材。サンスペル自体、かつては「シーアイランドコットン社」という社名でもあり、世界最高級の「シーアイランドコットン」をファッションに使用したことで知名度を上げた歴史があります。
シーアイランドコットンは、世界のさまざまな超長綿の元となった品種。あらゆるブランド綿の中でも特に長い繊維長を持ち、地中海特有の生育環境が特別な綿糸を生み出します。油脂分が多いため滑(ぬめ)り感も強く、他の超長綿とも異なる雰囲気を持っています。
また、「サンスペル」というブランド名自体、生産地であるカリブ海の島の「sunny spells =晴れ間」から名づけられました。サンスペルでは特に、高価格帯のTシャツなどに使用されています。
最高級の素材を「二重織り」にした贅沢なカットソー類
日本インテリア協会より引用
その他、サンスペルはベーシックなTシャツやポロシャツに「二重織り」を採用していることも特徴。
これは、生地を二重(ダブルフェイス)にすることで、高級感と耐久性を両立しているということです。最高級のコットンを重ねて使用することで、心許ない耐久性を補うようにバランスを取っているのですね。
元々が薄地のコットン生地なので厚くなり過ぎず、より高い快適さと安心感、そして高級感が得られるTシャツです。夏場でも汗をよく吸いますし、暑く感じない上に、微かな“もちっと感”もあります。
まさしく、ラグジュアリーな素材をラグジュアリーに活かしています。
サイズ感が存外“普通”でタイト過ぎない
また、サンスペルのTシャツやポロシャツ、スウェット類は、サイズ感が比較的“普通”であることも特徴。
ハイブランドのカットソーでオーバーサイズに作られていないものは、結構“ピチピチ”しているものが多いです。胸周りにゆとりがあって、ウエスト周りはピチッとしている。細マッチョなど、体型に自信がある方でないとハードルが高いと思います。
近年のサンスペルは、多くの商品でそういった“ピチピチ感”という程ではありません。「クラシックTシャツ」や「リヴィエラポロシャツ」は若干スリム~標準程度なので、多くの人に合いやすいと思います。
サイズ感に関しては、ユニクロや無印のような一般的なS/M/L表記と同じように選べばOK。不安な方やオーバー気味に着たい方は、1サイズ上げても良いといった程度です。
サンスペルのラインナップ|Tシャツやポロシャツ、スウェットなどご紹介
続いて、サンスペルの代表的な商品について紹介します。
カットソーやスウェット類であれば“外れ”はないので、基本的には用途や気に入ったものを見つけていただければOKです。
「Q82」クラシックTシャツ
Image Photo by SUNSPEL
クラシックTシャツは、なんといってもサンスペルの基本。
ファッションの原点にして、サンスペルがファッションとして定着させた服でもあります。サンスペル伝統の生地「Q82」が採用され、薄手ながら耐久性に優れたコットンジャージーが使用されています。
また、ガス焼き加工によって、綿糸の不純物や毛羽を取り除くことで抜群に滑らか&ソフトな肌触りを実現している点も特徴です。
ベーシックなラインはスーピマコットン100%、さらに高級なものだと、シーアイランドコットンを使用したものも展開されています。ジャケットの下に着るも良し、夏の一枚で着る勝負着としても◎。
モックネックT
Image Photo by SUNSPEL
続いてはモックネックT。一般的なものとは異なり、サンスペルのモックネックはネックラインが低く夏でも着用可能です。
リブが太めで、クルーネックTとはまた違った魅力のある一着です。シーズン問わず着用できる「しっかりした印象を与えるクルーネックT」のようなモックネックですが、ジャケットの襟を汚さないという嬉しい点もあります。
素敵なテーラードジャケットやコートの、インナーに添えてみるのも良いですね。
ミッドウェイトTシャツ
Image Photo by SUNSPEL
個人的な春夏で一枚の着用にオススメが、このミッドウェイトTシャツ。
上述の二つは薄地で白色や生成りは透け感がありますが、中地になると透け感も(ほとんど)なくなります。
(厚地になった分)吸湿力も高いので、夏の一枚としてオススメできるTシャツです。サンスペル特有の二重織りと相性も良く、クルーネックTと迷ってほしい名作です。
リヴェイラポロシャツ
Image Photo by SUNSPEL
リヴィエラ・ポロシャツは、映画『007』シリーズ「カジノ・ロワイヤル」でダニエル・クレイグのために制作し、実際に着用されたポロシャツとしても有名です。
Tシャツ同様に上質なコットンを使用しており、軽量で通気性に優れた生地感が快適な着心地を提供しています。
スリム寄りのレギュラーシルエットで、標準~やや細め体型で良いポロシャツを探している方にオススメです。
スウェットアウター&パンツ
Image Photo by SUNSPEL
また、サンスペルはループバック織りのスウェットシャツやパーカー、ボクサーパンツ類も得意領域。
これまで紹介してきた服と同様、ブランドネームなどが表に出ていないシンプルなデザインながら、上質なカジュアルウェアとして重宝されます。
「ループバック」というのは、編み方の一種のこと。生地の裏をめくると糸がタオルのようにループしており、保温性に優れます。
さらに、サンスペルは細く上質な糸をぎゅっと詰めることによって、耐久性と柔らかなタッチ感を確保していることも特筆事項。
他にも、近年はレディースにも注力しているため、メンズ・レディースのインナーウェアは大体揃うブランドです。
別注品などを除き、公式オンラインストアで多くのラインナップを見ることが可能なので、ぜひ覗いてみてください。
サンスペルのTシャツを実際に購入してみた【レビュー】
実際に評価レビューを行うため、新たにサンスペルのTシャツを購入してみました。
今回購入してみたのは、スビンギザコットンのミッドウェイトTシャツ。中地で夏の一枚での着用にも適しており、高級感と耐久性を両立した一着です。
こちらはナノ・ユニバースから発売されたモデルで、通常のサンスペルよりも着丈が若干短めです。また、身幅もやや狭めになっているため、XLサイズにしました。総じて、ジャケットのインナーとしても使いやすい設計になっています。
サンスペルは稀にVネックは展開されるものの、基本的にはクルーネックが中心のブランドです。ミッドウェイトは若干モックネックになっているので、ジャケットのインナーとしても有用。
また、首裏にバインダーが縫い付けられています。これは首周りが伸びたり、ロックミシンの縫い糸が当たってチクチクするのを防いでくれる仕様。
あまり薄地&軽いTシャツの場合、付けると盛り上がってしまうので逆効果ですが、特殊な仕様や織り方をしていない限り、中地以上の生地ならあった方が良いでしょう。首周りのダブルステッチも、非常に細かくて丁寧です。
楽天市場より引用
スムース編み&スビンギザコットン生地ということで、柔らかさと繊細な高級感の両方を感じさせます。
手触りも“もっちり”としており、耐久性が高いのも嬉しい点。
ちなみに、洗濯は手洗いor裏返してネットに入れること。乾燥機もNGです。サンスペルに限らず、高級品のTシャツは大切にケアしてくださいね。
濃色なら蛍光剤の入っていない洗剤で。陰干し&熱すぎるアイロンもNGですよ。
サンスペルの購入店舗|どこで買える?オンラインストアは?
実店舗では、やや入手場所が限られる
サンスペルの取扱ショップですが、日本での実店舗はあまり充実していません。
最近まで東京・表参道に直営店があったものの、事業会社が変わったことで2023年2月に閉店しました。今後、復活するかもしれません。
ただし、新宿伊勢丹や、大型のビームスやナノ・ユニバースでは取り扱いがあります。2023年春夏からはサンスペル株式会社の日本法人が設立されたため、今後の動向次第では販路が拡大するかもしれません。
オンラインストアはかなり充実している
一方、オンラインストアは公式に加え、Amazonや楽天市場など充実しています。
- Amazon・・・ベーシックなクルーネックTやミッドウェイトT、リヴィエラポロシャツが購入可能
- 楽天市場・・・上記に加え、アンダーウェアやセレクトショップ別注品も入手可能
- 公式オンラインストア・・・別注品を除くフルラインナップ(シーアイランドコットン商品やスウェット類など)
など。
その他、ビームスでは別注品が充実しています。ここでしか手に入らないサンスペルが多く展開されているので、ぜひお見逃しなく!
\ 公式オンラインストアはこちら/
終わりに|サンスペルはシンプル×上質さを極めるブランド
今回は以上です。
サンスペルは、“これ見よがし”なブランドネームによるアピールとは真逆なブランド。
それなりにファッションに詳しくないと通じないブランドですし、他人へ積極的なアピールをする服ではないかもしれません。
しかし、自分の肌面から気分を上げてくれる素晴らしいブランドです。
内側まで「良い服」であることは、究極の贅沢かもしれません。
静かに上質な生地が、静かにあなたへ満足感を与えてくれる。そんな名ブランドだと思います。
春や秋、冬はあなたの素敵なジャケットやコートのインナーとして。夏は一枚で着られる勝負服として。
最も外で脱がない服だからこそ、最も愛用できる服になるかもしれません。
ぜひ、あなたのワードローブに加えてみてください。
おしまい!
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