こんにちは、しょる(@SHOLLWORKS)です。本日は春夏の人気服であるポロシャツについて。
「ポロシャツとは」に触れた上で、オススメ&有名ブランドを紹介しようと思います。
ポロシャツは暑い日本の夏における必需品。一枚で涼しく着られる上に、「アクティブ」「可愛い」といったイメージを与えてくれます。
一方、大人っぽい印象や高級感といった演出や、普段やビジネス使いでの着こなし方に迷われている方も多いのではないでしょうか。また、一枚で“ダサくないか”心配ですよね。
そこで、今回はプロのデザイナーである私が、着こなしのコツや気合わせ方なども少しだけ言及しています。最後までお読みいただけたら嬉しいです。
私も夏はよくポロシャツ一枚で過ごす派。どうせなら良いもので過ごしたい人、好きな一枚を見つけたい人。必見の内容ですよ。
そもそも、ポロシャツとはどんな服を指す?いつ誕生した?
ポロシャツの有名ブランドを紹介する前に、まずは「ポロシャツとは」についてお話させていただきます。
ポロシャツは「平織の襟付きプルオーバー」
ポロシャツは主に、短袖が中心×平織生地によるカジュアルな襟付きシャツを差します。主にボタンが2、3個で、上襟がボタンダウンになっているタイプもよく見られる仕様。
LACOSTE 公式HPより引用
ポロシャツの歴史はやや曖昧ですが、現在の形になったのは凡そ1930年代。ルネ・ラコステという、ウィンブルドンも制した元テニス選手が「ラコステ」ブランドを立ち上げ、
- 鹿の子(ピケ)素材
- 襟付き
- 半袖
という、ほぼ「現在のポロシャツ」を発売しました。
ラコステのウェアは当初「テニスシャツ」として普及し、やがてゴルフ、そしてポロ競技などのウェアとしてメジャーになりました。
“ポロシャツ”自体の歴史的な起源としては、やや曖昧
HISTORIC UK より引用
しかし、ポロ競技などで使用される“ポロシャツ”は、1871年にインドのマニプールからポロ競技が伝来し、スポーツとして確立された19世紀後半から存在しました。
19世紀から20世紀初頭のさまざまな資料においても、選手が“ポロシャツのようなもの”を着用しています。
プルオーバーではなくフルオープン(上から下までボタンが付いていて開閉できる)のものであったり、あるいは、襟が付いていないものや長袖などもあったり。バリエーションも豊富でした。
少なくとも、ラコステが発表した“ポロシャツ”によって、広く普及したことは間違いありません。
しかし、「1920年代には半袖の襟付きプルオーバーがあったのでは」という意見もあり、「誰がポロシャツを発明したか」という点は些か曖昧になっています。
鹿の子織が定番、コットン中心で麻やウール素材のものも
Image Photo by Uniqlo
ポロシャツによく採用されるのが、綿素材による「鹿の子織」の生地。鹿の子織は日本での呼称で、鹿の子供の背中にある模様のような織目になることから名付けられました。和装の世界においても西陣織などに採用されています。
一方、英語圏やフランス語圏ではピケ(pique)と呼ばれる織り方です。18世紀の後半にフランスで誕生したと言われており、平織で肌との接地面積が小さいことが特徴。
綿生地の吸水性や織の構造による通気性と相まって、吸湿性や通気性に優れる生地です。ナチュラルストレッチもあるため動きやすく、さまざまな点で夏にピッタリの生地と言えます。
ポロシャツブランド11選|プロが教える、着こなしや年代も紹介
それでは次に、ポロシャツのオススメ&有名なブランドをご紹介します。
実際には多くのブランドが夏の定番として販売していますが、その中でもポロシャツを主力のひとつとして販売している有名ブランドを選出しました。
メジャーなブランドもマイナーなブランドも挙げているので、お気に入りの1着を見つけていただけたら嬉しいです。
ラコステ(LACOSTE)(特におすすめ)
LACOSTE 公式HPより引用
- 参考価格
- 16,500円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・現代のポロシャツにおける原点
・20代~老年まで愛用できる普遍性
・シルエットのバリエーションも豊富で、体型や好みに合ったものが選べる
ラコステ(Lacoste)は、(先述の通り)ポロシャツを代表するブランドとして真っ先に挙げられる存在。全英、全仏、全米を制したテニス選手、ルネ・ラコステが競技引退後の1933年に創業したブランドです。
現役時代に着用していたスポーツシャツよりも軽快&快適に動けることを目指し、伸縮性のあるニット(編み生地)を採用したことが現在のポロシャツの流れを作りました。
ローンチした当初は「テニスシャツ」と呼ばれていました。テニスだけでなくゴルフやポロ競技にも普及し、まさに“ポロシャツ”のトップブランドとしての認知を獲得しています。
LACOSTE 公式HPより引用
シンプルな鹿の子編みにクロコダイルのロゴが縫い付けられたポロシャツが定番品ですが、実際はかなり多様なモデルやシルエットが展開されています。
代表的なモデルだけでも、
- L.12.12(定番のクラシックフィット)
- L.12.64(L.12.12を杢糸にしたモデル)
- レギュラーフィットストレッチ
- スリムフィット
- ムーブメントポロシャツ(吸水速乾モデル)
- ルーズフィット
などなど。
また、トレンドに合わせたポケット付きポロシャツや「ビッグクロコダイル」など、シルエット以外のバリエーションも豊富。
ラルフローレン(Ralph Lauren)
- 参考価格
- 19,800円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・有名ブランドによるポロシャツの大定番
・20~50代のセクシーさを出したい人に
・多色展開の元祖
ラルフローレン(Ralph Lauren)は、アメリカを代表するデザイナーズブランド。ブランド立ち上げから5年後である1972年、「ポロ」ブランドからポロシャツを発売し、レインボーに彩られた多色展開が瞬く間に有名になりました。
ラルフローレンは、ポロ競技にて人間が跨っている「ポニー」がブランドアイコン。まさしく、ポロを嗜む英国上流階級のライフスタイルを、ポロシャツと共にイメージさせています。
また、近年はポロベアーというアイコンも人気です。レギュラーからスリムフィットまで展開されており、ラコステと人気を二分する有名ブランド。
ラルフローレンがお家芸である「多色展開」を始めたのは、1978年頃のようです。数々のブランドに影響を与えたビジネスモデルと言われ、ユニクロもフリースやTシャツ、もちろんポロシャツの販売において大いに参考にしたマーケティング手法です。
フレッドペリー(Fred Perry)
Fred Perry 公式HPより引用
- 参考価格
- 15,400円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・ローレルリースやティップラインが好き
・主に20~30代のスタイリッシュな人向け
・「M3」モデルはシンプルで幅広い人向け
フレッドペリー(Fred Perry)は、1952年に誕生したイギリスのブランド。創業者フレッド・ペリーもテニスプレイヤーとして1930年代に活躍し、史上初のキャリアグランドスラムを達成するなど目覚ましい経歴の持ち主です。
ポロシャツはシンプルでクラシックなデザインでありつつ、ローレルリースのロゴや襟や袖の「ティップライン」が特徴。ラコステやラルフローレンのポロシャツと比べ、もう少し装飾がほしい人向け。
フレッドペリーは元祖モデルの「M3」やティップライン入りの「M12」、さらにM12 を現代的にリファインした「M3600」などが代表モデルです。個人的には、若年層×スタイリッシュな方向けのポロシャツと思います。
ちなみに、フレッドペリーはテニスに転向する前は卓球選手でした。卓球選手としても世界選手権のシングルスで優勝するなど目覚ましい経歴を残した選手です。
チャンピオン(Champion)
楽天市場より引用
- 参考価格
- 7,590円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・スウェットブランドの元祖
・20代~壮年まで幅広い年代に◎
・スウェットと同じく天竺グレーがオススメ
チャンピオン(Champion)はスウェットだけでなく、ポロシャツも有名なブランドです。
サステナブルな「コットンUSA」を100%使用した天竺素材が、さり気ない変化を加えてくれます。リーズナブルながらしっかりとした作りで、個人的にはスウェットカラーと同じくグレーのポロシャツが良いと思います。
個人的には結構オススメ。リーズナブルなブランドが“ダサい”わけではないので、同じような価値観を持った人のためのブランドです。
トミーヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)
- 参考価格
- 15,400円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・アメリカを代表するデザイナーズブランド
・20、30代や若々しさを出したい人向け
・ブランドロゴだけでなく、デザインのバリエーションが豊富
トミーヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)は1984年創業、アメリカのプレッピーを代表するブランド。
「F.A.M.E.」すなわち、ファッション(Fashion)、芸術(Art)、音楽(Music)、エンターテインメント(Entertainment)の分野からインスピレーションを得ているとされ、若々しくエネルギッシュな印象を与えてくれます。
トリコロールのロゴが印象的で、こちらもフレッドペリー同様に若年層向け。実はオートクチュールデザイナーでもあり、コレクションは普段販売している商品とは違うイメージも持たせてくれるブランドです。
サイベーシックス(SCYE BASICS)
楽天市場より引用
- 参考価格
- 17,600円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・ポロシャツに定評ある日本ブランド
・20~40代向け
・セレクトショップ別注品なども充実
サイベーシックス(SCYE BASICS)は、2000年に創業したドメスティックブランドであるSCYE(サイ)の、素材、カッティング、内部構造にまで配慮したベーシックアイテムを展開するライン。
ポロシャツは非常にシンプルで着やすく仕上がっています。セレクトショップとの別注品なども多数展開されており、有名過ぎるという程ではないけれど、分かる人は分かる塩梅であることも特徴。
ちなみに“SCYE”はテーラー用語で「袖ぐり」「鎌」を意味しますが、ポロシャツのロゴには動物の「サイ」が縫い付けられています。シャレが効いていますね。
ブルックスブラザーズ(BROOKS BROTHERS)
- 参考価格
- 15,400円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・現存する世界最古のアパレルブランド
・20~60代向け、幅広く着られる
・ボタンダウンのポロシャツがオススメ、アメトラスタイルに◎
ブルックスブラザーズ(BROOKS BROTHERS)は1818年創業のアパレルブランド。1896年に最初の量産型のボタンダウンシャツを導入し、(現代型とは少し異なる)ポロシャツにおいても大きな貢献を果たしたブランドです。
今日は広く採用されているボタンダウン仕様は元々、ポロ競技で馬(ポニー)に乗っている際に襟がめくれないように考案されたディテール。まさに“ポロシャツ”のために考案されたものでした。
ブルックスブラザーズのポロシャツは、超長綿スーピマを使用したものがお家芸。また、ブランドロゴであるゴールデンフリース(最高品質であることを示す吊るされた羊)が左胸にワンポイントで入っていることも特徴です。
ブレザーにコインローファー、そしてインナーはボタンダウンのポロシャツ。ブルックスブラザーズならではのポロシャツコーデも“サマ”になると思います。
プリングル(Pringle of Scotland)
Farfetch 公式HPより引用
- 参考価格
- 15,200円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・スコットランドを代表するデザイナーズ・ニットブランド
・30~50代向け
・ファーフェッチで購入可能
プリングル(Pringle of Scotland)は1815年創業、スコットランド発祥の高級ブランド。元々はアーガイル柄を発明した高級ニットウェアブランドとして知られていますが、ポロシャツも取り扱っています。
ゴルフウェアを意識したポロシャツが中心ですが、日常使いも問題ないナチュラルな鹿の子織生地。胸の「ライオンヘッド」はブランドロゴにして、スコットランドの紋章でもあります。
以前は日本国内の百貨店などで購入可能でしたが、現在はFarfetchにて購入可能(Amazonや楽天市場にも取り扱いがないようです)。
サンスペル(SUNSPEL)(特におすすめ)
SUNSPEL 公式HPより引用
- 参考価格
- 18,810円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・英国の高級カットソーを代表するブランド
・30~50代向け、スタイリッシュな人に
・『007』も愛用したポロシャツ
サンスペル(SUNSPEL)は、1860年に設立さた英国のブランド。最高級の超長綿を使用したカットソーがお家芸で、高級×シンプルなポロシャツを求めている方に最適です。
サンスペルのリヴィエラ・ポロシャツは、映画『007』シリーズ「カジノ・ロワイヤル」でダニエル・クレイグのために制作し、実際に着用されたポロシャツとしても有名です。
Tシャツ同様に上質なコットンを使用しており、軽量で通気性に優れた生地感が快適な着心地を提供しています。スリム寄りのレギュラーシルエットで、標準~やや細め体型の方にピッタリ。
フェデーリ(FEDELI)
楽天市場より引用
- 参考価格
- 20,000円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・イタリアの高級ニットブランド
・台襟付き×製品染めの落ち感で独自の雰囲気を出している
・30~50代の特にスタイリッシュな人向け
フェデーリ(FEDELI)は1934年創業。「高品質なイタリア製」を内外に広め、クルチアーニやドルモアなどと並びイタリアを代表するニットブランドです。
エジプト綿やスーピマを使用した高級感溢れる生地を、あえて製品染め(糸の段階ではなく商品の形になった段階で染める)を行い、独特の色落ち感を演出しています。
お腹が出ている人向けではないものの、スタイリッシュで高級感を求めている人にはピッタリ。台襟も付いているのでジャケットのインナーとしてもサマになります。
ジョスメドレー(JOHN SMEDLEY)(特におすすめ)
- 参考価格
- 33,000円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・高級ニットブランドの代表格
・30代~老年まで愛用できる普遍性
・高級感あるハイゲージニットを求める方に
ジョスメドレー(JOHN SMEDLEY)は1784年創業、高級ニットを代表する歴史あるファクトリーブランドです。
ジョンスメドレーはハイゲージニットの原点であり、パイオニア的なブランド。ポロシャツも30Gのハイゲージニットで織られ、「夏も一枚で着られる薄手のコットンセーター」という感じです。
フィッティングはスリムフィットの“MODERN FIT”とリラックスシルエットの“EASY FIT”を展開しています。色・柄のバリエーションも豊富で、あなたの好きな一枚を見つけられますよ。
終わりに|ポロシャツの着こなしに関する疑問に答える
最後に、ポロシャツに関してよく思われる“あれこれ”についてお話できればと思います。
スーツ(ジャケット)の下にポロシャツはアリ?→バリバリOK
RING JACKET 公式HPより引用
スーツの下にビジネスシャツではなく、ポロシャツを着るのももちろんOKです。フォーマルなシーン向きではないものの、ビジカジやオフの日の“きれいめ”な服装としても良いと思います。
セットアップスーツと合わせる際は、チェック柄や、コットンや麻など少しだけカジュアルな素材感のもの相性が良いですよ。
少しだけ変化を持たせた着こなしで、あなたの装いに変化を付けてみてください。
ぶっちゃけ、ポロシャツはダサい?
私はダサいと思っていませんが、一定数そう思っている人がいることは事実です。理由としては主に、
- ファッションにスポーツ的なものを持ち込むのが嫌
- 夏に一枚で生活するのに抵抗がある
- なんとなく“おじさん”の着るものという認識がある
といった意見や価値観があるようです。
こればかりは最早、政治的な主義主張の違いのようなものなのです。ダサいと思う人に「ダサくない」を理解してもらうのは難しいかもしれません。
ポロシャツがファッションの市民権を得ているからこそ、紹介してきたような商品が存在しています。そして、一口にポロシャツと言えど、さまざまなブランドやシルエット、生地の質感やディテールがあることは確かです。
多様な価値観をリスペクトをしつつ、ご自身の体型や好みと照らし合わせて最適な一枚を纏う。ダサいと思う人以上に認めている人が多いジャンルだからこそ、「ポロシャツはダサい」という価値観を気にし過ぎる必要はないのではないでしょうか。
価格差は出やすい?他に高級ブランドはない?
正直、ポロシャツはTシャツと比べれば高級感の差はそこそこ分かりやすいと思います。
また、「胸にブランドロゴがある」という点でも、「普通のブランド好き」レベルの人にも識別されやすい特徴があります。特に、ラコステやラルフローレン、フレッドペリーなどは顕著ですよね。
ロゴを付けないブランドでも、サンスペルやジョンスメドレーといったブランドは、超長綿のハイゲージなニットなどを使用します。廉価なブランドのポロシャツと比べ、高級感に差を感じないわけではありません。
とはいえ、個人的には「ポロシャツ」というジャンルそのものが、そこまで高級感が大切なジャンルではないように思えます。
もちろん、ボタンが白蝶貝であったり、綺麗に縫われたりしていたら嬉しいものです。美しい発色にも惹かれますが、あなたの夏や他の季節を快適に、軽快に過ごすための服でもあります。
高級品が好きな方はもちろん、上記で紹介した中で高価格帯のものや、クルチアーニ、ドルモア、ブルネロクチネリといったイタリアの高級ニットメーカーも良いでしょう。あるいは、プラダやロエベなど、ポロシャツを積極的に展開するラグジュアリーブランドも選択肢にあります。
私の場合だと新潟県見附市にある「第一ニットマーケティング」が製造するトレンタセッタンタや、リングヂャケットナポリ、あるいはサンスペル、チャンピオン、ラコステ、セレクトショップのオリジナル品、ユニクロ・・・諸々を愛用しています。
価格で雰囲気は異なりますが、それを良しとする雰囲気もまた、ポロシャツの醍醐味ではないでしょうか。
先述で紹介してきたブランドをポロシャツの定番ブランドとして軸に据えつつ、多くのブランドが手掛けています。ぜひ、ピッタリのポロシャツを見つけてくださいね。
おしまい!
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