こんにちは、しょる(@SHOLLWORKS)です。
本日は、ファッションのプロが「結婚式の服装、結局メンズのスーツはどうすればいいの?」という、めちゃくちゃ悩む人が多いテーマについて、文字通り完全解説します。
実は私も、この記事を書いた最近、妻の兄の結婚式がありました。
その際に、「結婚式の服装どうすればいいの?」「お洒落な着合わせは?」と聞かれることが多かったので、これを期に、世にある訳わからない疑問や答えに対して、完全版を解説しようと思いました。
このトピック、調べても明瞭な回答をしているところが少ないのです。
これは、戦後に“日本独自のスーツ”が生まれてしまい、欧や米の習慣がそうでないことに気付いてなお、売りたいという理由などによって、ごっちゃになっているためです。
非常に分かりにくく、複雑になってしまっている結婚式のスーツ事情。
売りたいメーカーだけでなく、ブライダルのメディアでも、平気で「おかしな内容」を書いているところが多いです。
「スーツに加えて、シャツやネクタイもこれさえ用意すれば大丈夫」という内容になっているので、最後までお読みいただけると幸いです。
まず、どんなスーツの種類があるのかを紹介
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まず、結婚式における、メンズスーツの種類について簡単に解説します。
結婚式での服装は主に、
- 略礼装(ダークスーツ)
- 準礼装(ディレクターズスーツ/ディナージャケット(タキシード))
- 正礼装(モーニング/イブニングドレスコート)
の3つに大別することが可能です。
さらに、昼の「儀式」用と、夜の「宴」用に分かれます。
「儀式」とは
- 入学式
- 結婚式
- 告別式
- 表彰式
など。
「宴」とは
- 披露宴
- 晩餐会
- オペラ・舞踏会・コンサート
- パーティー
など。
ちなみに、「結婚式→そのまま二次会で夜まで」といった場合は、「儀式」の服装がベースでOKです。
もちろん、チーフやカフスボタンなどを変えて、宴っぽくするなどはアリですよ。
併せて、次項からは、新郎新婦に対してどのような立場の人が着るべきものかも解説しました。
略礼装:ダークスーツ
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もし、あなたが新郎新婦のゲスト(友人・知人)や、兄弟、義兄弟の場合は、概ね略礼装であるダークスーツでOKです。
ダークスーツとは、ダークネイビーやチャコールグレー(濃灰)×無地のスーツのこと。
黒無地のスーツも含まれることがありますし、日本では「ブラックスーツ」と別にされたり、ブラックスーツだけ「準礼装」のカテゴリに入れられたりします。
結婚式はチャコールグレー、宴である披露宴はダークネイビーと使い分ける風習もありますが、私は「ダークネイビーの無地」がベストだと思います。
一方、ビジネス使いされているスーツ、例えば、
- ストライプやグレンチェック、ウィンドウペーン柄のスーツ
- フランネルなど、起毛感のある生地
というスーツは、避けた方が良いでしょう。
あくまで起毛感がなく、光沢が控えめ~ほどほどに感じる濃色無地(シャドーストライプはギリギリセーフ)が良いと思います。
結婚式は黒じゃない「ダークスーツ」で大丈夫。むしろ、その方が良いまであります。
欧や米の原理主義的なドレスコードからすると、そもそも上下黒無地のスーツは弔事(お葬式)用。
結婚式で着て行くべきものではないとされています。
また、「ブラックフォーマルってブラックスーツなの?」「シャツやネクタイの合わせ方は?」と思う方が多いと思います。
これについては、
- 「ブラックスーツ」と「ブラックフォーマル」は違うもの
- 結婚式に「ブラックフォーマル」というものは必要ない(し、黒無地のスーツもイマイチ)
という点を押さえてください。
準礼装:ディレクターズスーツ/ディナージャケット(タキシード)
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続いては、準礼装について。
これは、儀式(昼の式)は「ディレクターズスーツ」、宴(夜の式)は「ディナージャケット(タキシード)」の着用を指します。
準礼装は主に、結婚式の乾杯や、主賓のスピーチを任されているゲストが着る服装です。
とはいえ、昨今はカジュアルな結婚式の広がりによって、そもそもそういった主賓の挨拶以外にも、友人代表のスピーチなどが多いと思います。
そういった方は、先述の略礼装(ダークスーツ)で構いません。
正礼装:モーニングコート/イブニングドレスコート(燕尾服)
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最後に正礼装。「モーニングコート」が儀式の正礼装、「イブニングドレスコート(燕尾服)」が宴の正礼装です。これらはフロックコートから派生した装いです。
結婚式において、モーニングは新郎新婦の父親が着用するものです。
男性の最も格式の高い装いとされ、一般的に既製服として販売されることもほとんどありません。
モーニングは黒のジャケットにグレーのベスト、コールパンツと呼ばれる、縦縞入りのスラックスを組み合わせます。
また、燕尾服の場合は、共布で作られたジャケットとパンツに、白の蝶ネクタイとベストを合わせます。
正礼装は、結婚式以外では、内閣組閣時や勲章授与式などで着用されます。コンサートの指揮者は燕尾服を着用しますが、これも19世紀末頃から、ソワレの正装としてフロックコートが採用されたことに端を発したものです。
結論、あなたがゲスト/親族の場合「ダークスーツ」でOK
結婚式のスーツはダークネイビー×無地のスーツが万能
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そして、多くの人が求めている今日の結論。
洋装を着る結婚式に呼ばれたゲスト(友人や知人)や、親以外の親族が着るべきスーツは、
です。
グレーの無地でも構いませんが、基本的にはダークネイビーが良いでしょう。どんな式場やゲストが来ても間違いがありません。
黒に近い濃紺~暗い色くらいであれば良いと思いますが、明るめの色は避けましょう。周りが日本独自の「ブラックフォーマルスタイル」で埋め尽くされていると、少し浮きやすいかもしれません。
そして、理由は後述しますが、タキシードではない黒無地のビジネススーツについては、原理主義的なドレスコードを守るならイマイチです。
「黒無地のスーツ」は日本だけでなく、世界の至る所で「本来はダメって聞いたけど、普通に売っているし本当にダメなの?」という疑問はあります。
これについては「許される場面も増えているけれど本流的にはダメ」ということだけお伝えして、詳細な理由は後述しますね。
「ブラックフォーマル」は、結婚式に着て行くべきではない
楽天市場より引用
また、黒無地のスーツとは別の、「ブラックフォーマル」のスーツを結婚式に着て行くのはやめましょう。
百貨店やスーツ量販店にて「ブラックフォーマル」として売られている、深い黒色のスーツは結婚式に必要ありません。
デパートやスーツ量販店の一画で、暗黒物質のように光を全く反射せず、ブラックホールのような色のスーツとして販売されているアイツです。
同じ黒無地でも「ブラックフォーマル」(2枚目)は
光沢感がなく深い黒色
もう一度言いますね。結婚式に「ブラックフォーマル」のスーツは必要ありません。
なぜかと言うと、
です。
普通に考えて、新郎新婦を祝う儀式に、何の光も反射しない上下真っ黒なスーツを着ているなんておかしくないですか。本当に祝う気持ちを表現できているんですか、それ。
「冠婚葬祭用」とよく書かれていますが、「婚」でも「葬」でも、同じ〇んだ魚の目のようなスーツで参列するのっておかしくないですか。
もっと言えば、女性が慶事と弔事でドレスを変えているのに、男性は一貫して〇んだ魚の目をしたスーツっておかしくないですか。
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日本の「ブラックフォーマル」文化は、戦後の国民にお金がなかった時代に生まれました。
まず、150年前の明治時代に洋装を取り入れ、さらに正装に採用するとした時点から、西洋の葬祭儀礼にならって喪服を黒にするという風習を取り入れました。
「葬式=黒い服を着る」というのは、実はヨーロッパの概念です。
— しょる|SHOLLWORKS – ファッションブログ/メディア (@SHOLLWORKS) August 12, 2024
日本では明治時代に洋装文化が入りましたが、その際に洋装だけでなく、和装の喪服まで黒になりました。
尤も、地方の風習では昭和の前半頃まで黒ではなかったようですが。… pic.twitter.com/dgZUO9l0Mj
また、黒無地のスーツとは異なる「ブラックフォーマル」は、戦後の国民が貧乏だった時代、カインドウェアという企業が提唱したことが切欠です。
「黒いスーツを1着用意して、結婚式には白いネクタイを、葬式には黒いネクタイを付けさせれば着回しが利くよね」という、完全なオリジナル文化でした。
100歩譲って「喪服」としてなら理解できます。しかし、結婚式まで黒色を持ち込んだ理由が意味不明です。
勘違いしたのか、それとも「まあ、いいや」と思ったのか定かではありませんが・・・。
私は「日本ブランドをもっともっと皆さんに知ってもらう」というメインテーマでこのサイトを運営しています。しかし、ダメなものはダメ、ダサいものはダサい。
国民が皆貧乏とは言えない昨今、この「ブラックフォーマル」文化が早く終われば良いと思っています(リクルートスーツも同様です)。
親族は「準礼装」のスーツを着なくても大丈夫なのか?
また、気になるのが新郎新婦の親族、つまり「兄弟や、叔父叔母(甥、姪、いとこ)は、本当に準礼装でなくて良いのか?」という点。
これに関しても結論、余程の格式が高い会場でない限り、略礼装、つまりダークスーツで良いでしょう。
タキシードは一部のブランドで販売しているものの、ディレクターズスーツを既製服で販売しているブランドはかなり稀だと思います。
準礼装の場合、ほとんどが式場でのレンタルになるでしょうが、足並みを揃えるのも大変だと思います。
一般的な20代、30代の方が挙げる式場であれば、新郎新婦の両親以外は「略礼装」で問題ありません。
現実的に、「親族全員が準礼装を用意する」というのもハードルが高いですよね。新郎の弟は「ディレクターズスーツ」だけれど、兄は「ダークスーツ」という事態は避けたいでしょう。
結婚式で「黒いスーツ」はおかしいのか?
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一方、「ブラックフォーマル」ではない、黒いスーツは結婚式に着て行くべきでしょうか?
これに関しては、
- 「欧」「米」の厳格なドレスコードを守ろうとするならイマイチ
- しかし、「結婚式に黒いスーツでも良いんじゃない?」と思っている人はいる
- 「結婚式は良いけれど、ビジネスシーンに黒無地のスーツを着ることは変」と思う人もいる
です。
「欧」「米」といっても地域や風習、信仰や教派などで異なるため一概には言えない部分があるのですが、結婚式のスーツに黒無地の略礼装はNGという価値観が「本流」です。
言い換えるなら、結婚式に黒無地のスーツ(略礼装)で臨むのは、ドレスコードの本流的にはNo、多少の保守派~革新派ならYesです。
実際、「結婚式×黒無地のスーツ(略礼装)」に関しては、世界中で意見が割れているトピックです。
というのも、上述の日本におけるブラックフォーマル文化の普及とは別の理由で、黒いスーツが一般的になりつつある、という状況にあるからです。
現実として、日本では結婚式に呼ばれる多くの人が黒いスーツですし、例えば海外展開しているユニクロでも「黒いスーツ」は売られていますよね。
本流のドレスコードに対して「黒いスーツ」が普及した理由は、もう少し後に書いています。
「伝統的なドレスコードを重んじる人」の意見
黒無地のスーツに関して、伝統的なドレスコードを重んじる人の意見としては、
- 黒のスーツは「葬式」や「夜」に着用するもの
- 黒はフォーマルだからこそ、タキシードなど「準礼装」以上を指す
- 黒いスーツは、ウェイターなどの“黒服職”のもの
といった価値観です。
私自身、イギリスやイタリアに4年いて、さまざまな国にも行きました。
人によっても異なる部分のあるため表現が難しいですが、概ねスーツ文化の本流たる地域では、上記のような価値観が根付いています。
上記をより詳しく知りたい人は、こちらをお読みください!
黒のスーツは「葬式」や「夜」に着用するもの
まず、黒いスーツは、「葬式」や「夜」に着るものという価値観です。
日中のビジネスシーンでは着用しないのが、クラシカルな装いのマナーです。
欧や米では、日中に執り行われる大統領就任演説やサミットのような場でも、(ダーク)ネイビー無地のスーツなどで臨みます。
上記のような、サミットの写真が分かりやすいと思います。先進主要国と言われる国にとっては重要外交の場でも、準礼装や正礼装はもちろん、黒いスーツは着用しません。
ダークネイビーは光の当たり方によって黒っぽく見えますが、岸田さんもマクロンさんもスナクさんもショルツさんも、ダークネイビーのスーツを着ています。
黒とダークネイビーでは色味が異なる
上記の写真のように、黒いスーツと、黒に近いダークネイビーのスーツは色味が異なります。
そして、ドレスコードにおいては「黒でないこと」もまた重要なのです。
黒=フォーマルだからこそ、タキシードなど準礼装以上を指す
また、「黒=フォーマルな色」だからこそ、そもそも結婚式や宴の席で「黒い略礼装のスーツなど存在意義がない」という価値観も存在します。
つまり、黒い装いは、もっとフォーマルなタキシードなど、準礼装以上の服の役割ということ。
それ以下の立場や場においては、ダークスーツで十分ということです。
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ひょっとすると、「日本にいるとタキシードなんて着る機会がない」と思われるかもしれません。
しかし、ブラックタイを求められる結婚式(滅多にないでしょうが)だけでなく、パーティーや結婚記念日など、意外と着る場面を生み出せるものです。
タキシードに対する距離の近さは地域や文化もありますし、趣味・嗜好などにも左右されます。
中には「黒無地の略礼装で代替したい」と思う人もいらっしゃるというのは理解できますが、そういう場はダークスーツで良いのです。
黒いスーツは、ウェイターなどの“黒服職”のもの
さらに、「黒無地のスーツなんてビジネスはもちろん、日常や結婚式でもウェイター以外はあり得ない」という価値観です。
ちなみに、ウェイターが黒い服を着用する理由はいくつかあります。
例えば、
- 汚れが目立たない
- 主役たるお客さんを極力、視覚的に邪魔しない
- 本来喋らない、黒子的な役割だから
といった理由です。
そして、欧や米の原理主義的なドレスコードからすると、先述した日本のブラックフォーマル文化は「怖い結婚式」に映るようです。
冗談じゃなく、マフィアかエージェント・スミスの集団みたいに見えるそうですよ。
とはいえ、「黒いスーツ」は世界中で市民権を得ている
「欧」や「米」の、スーツに対する原理主義的な価値観は上記の通りです。
しかし、現に「黒無地のスーツ」は、日本のブランドはもちろん、世界の多くのブランドで販売されています。
日本以外の世界中で先述の価値観が浸透している場合、ちょっと“おかしい”ことになります。つまり、「弔事くらいでしか使用できない」と思っている人ばかりだとしたら、これほどまでに販売されているでしょうか?
この理由は、
- モードが「黒いスーツ」を登場させ、ファッションがスタイル(人々の習慣)となった
- 「黒=落ち着いて真面目そう」という印象の政治利用
- そもそも今は「金髪碧眼」の人がマイノリティー
などが挙げられます。
上記をより詳しく知りたい人は、こちらをお読みください!
モードの影響
モードが広く確立される前の時代。
~20世紀前半頃までは、日常でほとんど黒い服が着られることはありませんでした。
上記は2009年公開の映画、「ココ・アヴァン・シャネル」のワンシーンです。
20世紀前半の時代においては、パーティーで黒のタキシードを着る男性はいました。
しかし、この映画においては、日常でも黒い服を纏っているのはココ・シャネルだけ、という対比が、ありありと描かれています。
一方、今日に至るまで、「黒」をモードとして積極的に使用したデザイナーたちがいました。
モードとは、既存のスタイルに対する既成概念の打破です。
古くはココ・シャネルに始まり、イヴ・サンローラン、カール・ラガーフェルド、山本耀司、川久保玲、ジョルジオ・アルマーニ、ミウッチャ・プラダ、エディ・スリマン、トムフォード・・・。彼らが各年代で黒い服、黒いスーツを登場させることで、徐々に私たちの「常識」が変わってきたことは事実です。
「ファッションは廃れるが、スタイルは永遠。」
ココ・シャネルが言ったとも、イヴ・サンローランが言ったともいわれるこの言葉は、「黒い服、黒いスーツがモードとして受け入れられ、影響を及ぼし、私たちの日常のスタイルとして残っている」ことを示唆しています。
「黒=落ち着いて真面目そう」という印象の政治利用
また、事実、日本以外の国においても、黒いスーツを「間違って」着ていた人がいるということも、黒いスーツが普及した理由のひとつです。
元々、「黒=弔事」という概念は、中近世のヨーロッパで確立された価値観です。
その伝統が現代まで続く間に、民主主義が涵養され、メディアが発達し、「テレビ画面やモニターを通じて、誰がどんな格好をして、何を発言たのかが分かり、印象を抱く時代」が到来しました。
つまり、「黒」という「落ち着いていそう」「真面目そう、真面目そう」「安定感がありそう」といったイメージを政治に利用した人物がいます。
彼らにとっては、ドレスコードによる「本流」からの批判よりも、獲得できる票のほうが重かったのです。
以降、世界のいたるところで政治家が黒いスーツを着て、「あいつはダサい」とか言われながらも、“誠実な印象”を与え続けます。
政治家にとっては、正しいドレスコードよりも票数です。
結果、黒いスーツは映像の向こう側から“当たり前”になり、「黒いスーツって無難で安定感があって誠実そうに見えるよね」という印象を抱かれるようになりました。
そもそも今は「金髪碧眼」の人がマイノリティー
あるいは、「本流側」からの都合を鑑みると、「金髪碧眼のヨーロッパ系にとって、黒は目立ちやすい」という考えが、黒の結婚式や日常使いを阻んでいた節があります。
あえてこういう言い方をするのですが、“色素の薄い彼ら”にとって、真っ黒なスーツと白のコントラストは、とりわけ日中において、顔色をくすませてしまうと考えられています(した)。
黒いスーツは白いシャツに白や黒のタイでないとバランスが取りづらく、バランスが取れても日常からは明らかに浮いた存在になってしまう。
だからこそ、日常や祝いの場では不適切と思われています(した)。
結果として暗い「夜の宴」や「弔事」のような場に限定することで、棲み分けを図っていました。
Image Photo by Moss
一方、ドレスコードが確立された時代とは異なり、今は洋装が「金髪碧眼のヨーロッパ系」のものだけではない時代です。
現在は、私のような髪の毛が黒いアジア系もスーツを着ます。
あるいは、アフリカ系の人は、上述した黒と白のコントラストに“負けない”ですし、世界全体を見渡すと、むしろ金髪碧眼のヨーロッパ系「以外」が、スーツを着用する圧倒的多数派になっています。
その他にも、美容や照明の発展も関係しているでしょう。
先述の理由と合わせて、今では「何がおかしいのかが分からない」という感覚が、多数派になっていると思います。
それでも「黒無地」の略礼装を、結婚式であえて着る理由がない
ファッションの産物であるスタイルも、時代とともにアップデートされていきます。
だからこそ、“若者言葉”などと同様に、「黒無地」の略礼装を結婚式で着ることは、“ナシではない”段階にあると言えます。そのこと自体、リスペクトすることは重要だと思います。
しかし、それでも個人的には、結婚式に黒無地のスーツを着る意義はないと思います。
というのも、
- 「黒の略礼装=弔事用」と考えると、気持ちの面でも黒以外がふさわしい
- 「黒い礼装」を持つなら、タキシードなどの方が棲み分けできる
- 「黒の略礼装に白いネクタイ」はマフィアのそれなので、結局コーデに工夫がいる
からです。
結局、黒い略礼装のスーツは結婚式にとって「帯に短し襷に長し」の存在です。
そして、髪が黒くても、コントラストに強くとも、多くの人にとってダークネイビーやチャコールグレーが黒よりも似合わないわけではありません。
以上のことから、ビジネスの場でも使えるダークネイビー無地のスーツを、タイやチーフを差し替えて結婚式用のダークスーツとした方がお洒落&賢いと思います。
ダークスーツで良いのですから、(新郎新婦より目立たない範囲で)祝いの気持ちを表す華やかになる着合わせが、結婚式のベストな服装ですよ。
結婚式のスーツに合わせる、お洒落な着合わせは?
というわけで、結婚式に「ゲスト」や「親族」が着るべきスーツは、濃紺無地やグレーのダークスーツでOKです。
そしで、ここからは、ダークスーツに着合わせるべきネクタイやシャツ、靴を解説します。
ネクタイは?➡シルバーや白のタイ、蝶ネクタイもあり
楽天市場より引用
まずは、スーツと合わせるネクタイに関して。
これは結論、
- 色・・・シルバーかホワイト(オフホワイト)
- 柄・・・ドットかソリッドタイ(無地)
が良いでしょう。
スーツが光沢感を感じさせるものであれば、「シルバーのドットタイ」など、光沢感を感じさせるもの。
一方、スーツの光沢感が控えめなものであれば、ネクタイも光沢感がないもので合わせると◎。
楽天市場より引用
また、蝶ネクタイも結婚式に相応しいネクタイです。
蝶ネクタイ自体が弔事用のネクタイではないため、色は黒でもOKです。
また、新郎や正礼装が白いタイであるため、シルバーなどのカラーも良いでしょう。
シャツは?➡白無地のレギュラーカラー
楽天市場より引用
ダークスーツに合わせるドレスシャツに関しては、
- 白無地のワイシャツ
- 襟はレギュラーカラー
- 可能であればダブルカフス
が良いでしょう。
ワイドカラーやホリゾンタルカラーのように、正面から見たときにあまり襟が開きすぎているものは、ややカジュアルな部類に入ります。
そのため、ダークスーツに合わせて結婚式に出る場合は、避けた方が良いでしょう。
また、蝶ネクタイをする場合、ウィングカラーのシャツを選ぶのもオススメです。
楽天市場より引用
そして、可能であれば、ダブルカフス(カフスボタンで留めるシャツ)であると、より結婚式らしさが表れると思います。
もちろん、急に言われてもカフスボタンの用意も含め、難しい方も多いと思います。
そういう場合は、カフリンクスを用いないシャツでもOKです。
靴は?➡黒のストレートチップ、ベルトも色を揃えて
Image Photo by 三陽山長
結婚式に相応しいダークスーツに合わせる革靴に関しては、
- 黒のストレートチップ
の、一択です。
上記の写真のように、つま先に横一文字のキャップがある靴が最もフォーマルで、ダークスーツにピッタリとされています。
また、キチンと綺麗に磨かれた、サイズが合っている靴であることも重要です。「ストレートチップを履いているからOKではなく」、手入れやサイズ感も重視してください。
もちろん、予算も重要な検討要素です。
個人的には、リーガルのグッドイヤー製法以上や、スコッチグレイン以上のものであれば、多くの場面で恥ずかしくない靴だと思います。
バッグは?➡クラッチバッグが良い
楽天市場より引用
また、バッグに関しては、
- クラッチバッグ(セカンドバッグ)
がベストでしょう。
色は、靴と同じく「黒」が良いです。
ポイントは、ビジネスで使うバッグは避けること。特に、書類を入れるブリーフケースなどは、やめた方が良いでしょう。
むしろ、クラッチバッグは結婚式や、パーティなどのためにあるバッグです。
その他➡白のリネンチーフを差すのがおすすめ
楽天市場より引用
そして、実践する人が少ないけれども重要なのが、チーフを差すこと。
アイリッシュリネンの白無地チーフが最もオススメです。
結婚式→パーティーの流れの場合、夜の宴には柄があるものに差し替えても良いでしょう。
Image Photo by MEN’S EX
結婚式のスーツの場合、TVフォールドという差し方が最も一般的です。
チーフを四角く折りたたんで、上記のように胸ポケットから少し覗くように入れると良いですよ。
【重要】スーツは身体に合っていることがすべて
最後に、最重要項目であるスーツについて。
スーツに関しては、述べてきた通り
- 色はダークネイビー無地(グレー無地もあり)
です。
そして、同じくらい重要なのが、
これが、スーツの着こなしとして、最もお洒落であることの条件でもあります。
理想を言えば、リングヂャケットのような、日本最高峰の既成スーツが似合えば言うことなしです。
しかし、マイスターラインは定価20万円以上しますし、体型もスリム気味でないと合いません。
予算など条件面で限られますし、ビスポークのスーツに関しても同様でしょう。
そこまで予算を掛けられる人は、ほとんどいらっしゃらないと思います。
私が広くオススメできるスーツとしては、KASHIYAMA(カシヤマ)のオーダースーツ。
イージーオーダーのスーツで、オンライン上で来店予約&実際に店舗で採寸する必要があるのですが、その分、身体に合ったスーツを作ってくれます。
しかも、
- 新規20%OFFで4、5万円もあれば良いスーツが作れる
- 全国展開で店舗へ足を運びやすい
- 納期も最短一週間とかなり早い
といったメリットがあるため、量販店やユニクロよりも良いスーツが作れます。
「自分は普通体型だから・・・」と思っていても、意外とそうでもない部分があったりして、既成スーツでは目立ちます。
KASHIYAMAは、こちらの記事でサービスの詳細や、オススメの生地&仕様まで紹介しています。ぜひ、お読みくださいね。
\ オーダースーツの作成はこちらから/
終わりに|結婚式の服装はルールではなくマナーである
結婚式のスーツまとめ
・結婚式は「ダークネイビー無地のスーツ」が万能
・「ブラックフォーマル」は不要
・シルバーや白のネクタイ/レギュラーカラーの白シャツ/ストレートチップの靴/白いリネンのチーフがあればOK
今回は以上です。
実際のところ、結婚式のスーツにおける色や種類、着合わせといったものは、ルールではなくマナーです。
守らないと処罰されるわけではないですし、マナーを守りながらも時代や価値観を経て、左右されるものであることは間違いありません。
しかし、結婚式のゲストや親族は脇役です。先鋭性を出す場ではないこと、ドレスコードにおける理解を示すことも重要です。
だからこそ、私はどちらかというと、本流のドレスコードを推進する立場です。
とはいえ、最も大事なことは祝う気持ちだと思います。
実は私、妻と結婚式をしていないのですが、仮に主役だとしても、ゲストがブラックフォーマルを着ていようが、ジャージで来ようが、祝う気持ちがあれば気にしないのだと思います。
だからこそ、お洒落な着合わせをした上で、呼ばれる結婚式で、新郎に、新婦に、祝いの気持ちを伝えてあげてくださいね。
おしまい!
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